ネットワークビジネスにハマった理由

最初は、むしろ、健康のために、純粋にその商品を欲しいと思って購入しましたし、友人にも純粋に商品を勧めてきただけなのです。。

今でも、その商品自体に問題があったとは思っておりません。

ところが、無意識のうちに、私のクラスがグループリーダーに上がっており、知らないうちに5万円を私が獲得しておりました。

何もしていないのに、私が売った友人・知人が勝手に動いて、私にお金が支払われる、という夢のような瞬間でした。

私は、さらに、上を目指したいという欲求がふつふつと湧いてきました。

そこで、私はエグゼクティブリーダーになるために、ノルマをこなすことを目標にして、大量に商品を購入して、自らも販売するとともに、グループを集めては、叱咤激励しました。

それでも、目標が達成できないと、私は、売れたことにしなさいとして、その架空の販売代金を私が立て替えて支払っていました。

そんなことを繰り返して、なんとか、早く、上に上り詰めてしまおうと考えました。

そうすれば、あとは何もしなくても、チャリンチャリンお金が入ってくる地位になれます。

ネットワークビジネスで仲間に迷惑

本当に、あの時は、どうかしていたとしかいいようがないのですが、グループ集会では私は人でなしでした。

売り上げが悪い人たちを名指しで呼び出し、

「みんなが迷惑しています!」

「本気でやってください!」

「みんなが頑張っているのにあなたにできない理由はなんですか?」

「ここで逃げたら一生、負け犬ですよ。」

「死に物狂いで頑張ってみんなで幸せになりましょう。」

と言ってはいたものの、実際には、みんなに厳しいノルマを達成させて自分が早く上に上りたかったのです。

ですが、私自身も、頑張りはしました。

実は、私は、建築工事の現場監督をしているのですが、仕事も密度濃くやって、なるべく早めに切り上げて、自分自身も販売活動を行うとともに、グループメンバーにはノルマ達成のための報告を促したりしていました。

もう少しではあったのですが、私も、在庫仕入れ及び建て替えでどんどん借金を膨らましてしまっており、借り入れ限界額もほとんど一杯になり、私自身も精神的にも、肉体的にも、そして金銭的にも、かなり限界で、疲労困憊になりつつありました。

そんな時、私が、架空の売り上げ計上をしているとの情報が匿名で本部に通報されました。

なんとなく、誰が通報したかは予想がつきました。

そして、その人が通報しているのであれば、証拠もたくさんあることですし、もはや、言い逃れはできないと観念しました。

終わりました。

借金の整理をしなければならなくなる

在庫と借金だけが残りました。

妻には、借金の額は驚かないように少なめに言いましたが、おおよそのことは全て話しました。

妻は、二点だけ、

仕事は絶対に辞めるな

家は絶対に手放すな

これが出来るなら、済んだことは特に何も言わない、ということでした。

ただ、【仕事は絶対に辞めるな】は、私の意思で頑張ればよいことですが、【家は絶対に手放すな】はどうやって借金を整理すればいいのか皆目見当もつかず、弁護士の方に相談することとなったのです。

相談後の債務整理について弁護士より説明

まずは、住宅ローンを支払いながら、個人再生の返済金を支払うという収支が成り立つのかという家計簿をつけてもらいました。

驚きましたが、完全に回ります。

もともと、収入の範囲内で、全く問題なくやりくりできるのです。

なんで、こんなネットワークビジネスに手を出してしまったのかと思いましたが、逆に言えば、ネットワークビジネスは、こういう普通の方を駆り立てる恐ろしいところがあります。

そして、ネットワークビジネスは、その人のみならず、その人の親族や友人・知人をも巻き込んでいってしまいます。

こんなネットワークビジネス、いわゆるマルチですが、一応、合法です。

特定商取引法33条に、以下のように規定されております。

”第33条 この章並びに第五十八条の二十一第一項及び第三項並びに第六十七条第一項において「連鎖販売業」とは、物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。以下この章及び第五章において同じ。)の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、販売の目的物たる物品(以下この章及び第五十八条の二十一第一項第一号イにおいて「商品」という。)の再販売(販売の相手方が商品を買い受けて販売することをいう。以下同じ。)、受託販売(販売の委託を受けて商品を販売することをいう。以下同じ。)若しくは販売のあつせんをする者又は同種役務の提供(その役務と同一の種類の役務の提供をすることをいう。以下同じ。)若しくはその役務の提供のあつせんをする者を特定利益(その商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料その他の主務省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう。以下この章及び第五十八条の二十一第一項第四号において同じ。)を収受し得ることをもつて誘引しその者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章及び第五十八条の二十一第一項第四号において同じ。)を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「連鎖販売取引」という。)をするものをいう。”

連鎖販売業」とは、

物品の販売又は有償で行う役務の提供の事業であつて、

販売の目的物たる商品の再販売等する者

特定利益を収受し得ることをもつて誘引し、

その者と特定負担を伴うその商品の販売等をするもの

をいいます。

法律上は、「連鎖販売取引」と言われます。

ご相談者さんは、現場監督という事もあり、ネットワークビジネスのリーダーをやっていたこともあり、資料集めも、質問に対する回答も的確で、すみやかに申し立てをすることができました。

そして、仙台地方裁判所の場合には、申立て代理人に弁護士がつく場合には、再生委員もつかず、本人が裁判所に呼びだされることもないので、終わりましたと終了報告をしたときは、逆に、ホッとされ、かつ驚いておられました。