債務整理相談をする前の心得
債務整理なら、とりあへず、無料相談であればどこでもいい!? |
例えば、「無料で話を聞くだけだから、別に、どこに相談に行こうが同じだろう。損する話じゃないし」、と思って相談に行ったとします。
ですが、あなたが何の予備知識もなく、相談に行ったとすると、こういう感じになる場合があります。
「あの・・・すいません。電話で相談した山田太郎と申しますが・・・。」
「2時から予約の山田太郎さんですね。こちらへどうぞ。」
コンコン!!←ドアをノックする音。
「どうも、初めまして。ご来所いただきありがとうございます。」
(誰だろう?この人は?)
「あのう、よろしくお願いします。実は、アコムとアイフルとプロミスとイオンカードと・・・」
「それで、いつ頃から借入を始めましたか?」
「多分、ここ2,3年ぐらいに急に借金が増えてしまって・・・。」
「2,3年ですと、過払い金は出ませんね。大体、全部で負債が500万ぐらいになりそうですが、お給料は幾らぐらいですか?」
「大体、24,5万ぐらいです。」
「何か、返済に充てられる資産はありますか?」
「実は、住宅があるんですけど、住宅ローンがあって・・・。でも、手放したくはないんです。」
「住宅ローンとは別に、月10万ぐらい返済できますか?」
「そんなのとても無理です。」
「そうしますと、お客様のタイプは破産になりますね。それでは、担当を呼んでまいります。」
(じゃあ、アンタは一体、誰だったんだよ!)
コンコン!!←ドアをノックする音。
「どうも、初めまして。ご来所いただきありがとうございます。司法書士の鈴木次郎です。」
「只今、うちのパラリーガルから確認しましたところ、お客様の場合には【破産】になるので、これから破産のお手続きについてご説明しますね。本日は、印鑑はお持ちですか?」
(持っているけど、なんか、おかしな感じがするな。持っていない、って言おう。)
「残念ですが、持ってません。」
「そうですか。契約は、直筆のご署名でも可能ですので、心配なさらないでください。」
「しまった。そうきたか。あのう、それで、家はどうなるのでしょうか?」
「基本的には、破産になった場合には、維持するのが難しいです。どなたか、ご親戚で購入して頂ける方でもいればいいですが、普通はいないでしょうね。」
「ええっと、いるかもしれません。いたら、どうなるんですか。その場合、ローンはどうなるんですか?」
「うーん。その場合は、ローンは売ったお金で返すことになると思うんですが、あっ、でも、売った金額にもよるし・・・、ちょっと、弁護士に確認して来ますね。」
コンコン!!←ドアをノックする音。
「どうも、初めまして。ご来所いただきありがとうございます。弁護士の佐藤三郎です。」
「破産する場合のご自宅の売却について、ご説明しますね。これは、任意売却といいまして・・・、」
「あのう、ちょっと、なんて言うか、その・・・、」
「大丈夫ですよ、ご契約をいただければ、すぐに、我々が、債権者に通知しますので、督促はすぐにストップします。」
「ただし、本日以降は、住宅ローンも含めて、借金の返済はしてはいけません。」
「返済しないと、家が競売にされちゃいませんか?」
「まあ、任意売却がうまく行かなければ、競売になりますが、いずれにせよ、破産になると、家を持ち続けることはできませんから、同じことです。では、ご契約についてお話を・・・、」
「いや、だから、何て言ったらいいのかなあ。そのさっきの親戚が家を買うという話はどうなったんですか?」
「えっ!?ご自宅は親戚に売却されるんですか?ちょっと、担当に確認してまいります。」
コンコン!!←ドアをノックする音。
「お呼びでしょうか?どういったお話でしたっけ?。」
「お宅じゃなーい!もう、帰ります!」
債務整理相談するために弁護士事務所まで行ったのに無駄でしたね。
せっかく、一念発起、勇気を出して、相談したのに。
しかも、山田太郎さんは帰ってきたからよかったですけど、そのまま、ずるずる進んでいたらどうなっていたんでしょうかね。
【こうなってしまった原因は?】
何がいけなかったんでしょうかね?
もっと、相談する前に債務整理について自分で勉強しておけばよかった?
自分が相談に行く事務所選びをもっと慎重にすればよかった?
→答えは、両方です。
ただ、もちろん、①債務整理に関する難しい本を読まなければいけないとか言うわけではないですし、②事務所選びを慎重にって言っても、何をポイントにすればよいのか分からないですよね。
債務整理相談を行う場合に知っておきたい5つのこと |
債務整理をすることができるのは、弁護士と司法書士である
なんか、行政書士に相談するとか、よく分からないコンサルタント(?)に相談している方がいますが、意味がないでしょう。
プラス、司法書士と弁護士にはいくつか違いがあります。
・弁護士は、破産申立てや個人再生の申し立て(つまり、裁判所相手の仕事)については代理人になりますが、司法書士はただ書類を作成してくれるだけです。
・弁護士が代理人になると、少額管財といって費用が安価な破産手続きを認めてもらえたり、個人再生手続きで再生委員費用を別途徴収されないなどの特典があります。
・任意整理でも、司法書士が扱える金額は140万円までなので、140万円を超える部分については別途、弁護士に頼まなければなりません。
ちなみに、いわゆる過払い金についても、140万円超える部分については、取り扱えないので、その部分は、別途、弁護士に頼むか、あるいは、書類だけ作成してもらって自分で請求するかしなければなりません。
また、債務整理の期間が長引いていると逆に債権者から訴えられる場合もありますが、この場合も140万円を超える金額については、本人を代理して裁判所に行くことができません。
さらに、裁判で、第1回目が、簡易裁判所でその時には、司法書士に頼めても、「控訴」という手続き、つまり、その裁判の結果が不満だといってさらに争う手続きがありますが、この控訴手続きについても司法書士は、代理できません。
債務整理の種類は大きく分けて、3種類ある
債務整理の種類は、任意整理(支払い和解)、破産に加えて、【個人再生】という手続きがあります。
任意整理は、要するにいまある借金を何回かに分割して支払うこと、破産は、要するに手持ちの財産を手放してその代わりに借金をチャラにしてもらうこと、その中間の手続きが【個人再生】です。
【個人再生】は、借金の全額ではないけれども、かなり大幅にカットしてもらって残りを分割で返済する手続きです。うまく行けば、住宅も手放さなくて済みます。
いい手続きですが、手続きがかなり難しいです。ですので、事務所によっては、分からないのか面倒なのか、その手続きを説明しない、あるいは、なるべく【個人再生】にいかないようにするところがあります。
費用の見積もりを出してもらう
さすがに、費用の見積もりをください、あるいは、全体の費用を説明してくださいと言って、くれないところはやめておいた方がいいと思います。
費用の分割払いは普通にお願いしていいこと
「費用を分割でお願いします」って言って、断られたら、それはそれで仕方ないですが、分割で費用を積み立てるということはむしろ普通ですので、あまりに積立期間が長いというわけでなければ、別に遠慮することはありません。
明確に担当者が決められていること
事務も弁護士(司法書士)も、担当が決まっていないと、ものすごく後が大変ですよ。言ったのに「聞いていない」、聞いたのに「そんなこと言っていない」、そもそも、いつも違い人から連絡があると、いざというときに誰に連絡すればよいか分からないです。
大手事務所です、って言うことが、どれだけ意味のあるのことなのか分かりませんが、大手だろうが、1人の事務所だろうが、大事なのは、自分自身の担当者が誰か!ということです。たらい回しにされないよう十分に気を付けて。
ただ、1人の事務所だと、担当者はその人しかいないので、たらい回しはあり得ないですが、今度は、いつも連絡がつながらない!、ということが起きる可能性が大です。
いかがでしたでしょうか?
以上が、最低限おさえて欲しいポイントです。
~最後に~
いつまでも、借金の問題を放置しないで、債務整理をしようと決意したあなたは、それだけでも素晴らしいことです。
ですので、その決意が無駄にならないよう、上記のことに留意して、あなたにあったいい事務所を見つけてくださいね。
BY 後藤東京多摩本川越法律事務所
相談予約専門E
電話予約受付時間
平日 午前9時~夜9時まで
※ただし、上記時間内でお電話いただければ、相談自体は、平日は午後10時まで、土日は、午前9時~午後6時までの間で予約を入れていただけます。
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