債権者に個人がいて、連帯保証もしているのに個人再生はできる?

【ご質問】連帯保証債務と個人再生について

連帯保証債務でも個人再生は認められますか?

私の友人Kが困ってますというか、見ていられません。

もともとは、Kは、お人好しで、頼まれると断れません。

ただ、今回の件は、ほとんど詐欺だと思いますが、騙されて、Kの知り合いの会社Bの連帯保証人になってしまいました。

ところが、その会社Bは、現在、営業停止というか、もぬけの殻で、債権者が会社の社長を血眼になって探し回っていますが、見つかっていません。

海外に逃亡したという噂もあります。

そこで、その債権者たちが、今度は、Kに対して、「連帯保証したのだから何とかしろ」と詰め寄ってきており、Kは、カードローン、消費者金融、挙句の果てには、親族・友人からも借金して、その連帯保証した分の一部を返済し続けていますが、もはや、借りるあてはないそうです。

私は、友人にもう無理だから破産した方がいい、と言っているのですが、友人曰く、

「破産なんかしたら債権者たちが激怒する」

「せめて、再生にしたい」

と言っています。

ただ、再生と言っても、こんなケースでも認めてもらえるのでしょうか?

【回答】

個人再生が認められるとはどういうことか?

「認めてもらえる」の意味ですが、

『申し立てができるか』『手続きとして認められるか』という意味であれば、個人再生の債務上限5000万の範囲に収まっているのであれば、できます。

ただ、債権者が血眼になって探し回っているということは、通常の金融機関ではないですよね。

つまり、再生計画案の決議が問題となります。

以下の場合には、再生計画案は否決されます。

・再生債権者の頭数の総数の半数以上が反対した場合

・再生債権総額の2分の1を超える債権を有する債権者が反対した場合

わかりますか?

つまり、頭数が半分以上であっても、債権額が半分以上であっても、債権者の反対があれば、その再生計画案は否決となって、それ以上は、手続きは進まないということです。

自己破産と偏頗弁済と免責不許可事由

それで、その後は、どうすればよいかというと、給与所得者等再生に切り替えるか、自己破産の手続きをすることになります。

自己破産の手続きにした場合には、免責不許可事由がおそらくは問題になってくると思います。

なぜかというと、Kさんは、自分が連帯保証の責任を追及されたときに、あっちこっちから借入をしているようですが、その際には、もはや、返済をすることはできないことが分かっていたのではないかと思うからです。

他方で、Kさんが、そういう無茶な借金をしてまで連帯保証債務を返済しなければいけない状況、つまり、返済不能の状況にあると知りながら、その連帯保証債務の返済を受け取っていた債権者側についても問題があります。

いわゆる偏波弁済による否認(簡単に言うと、支払不能後の債務弁済については受け取った弁済金を返さなくてはいけないということ)という問題です。

ただ、今回のケースは、Kさんの立場に立って考えると、否認されても、いやむしろ、否認されて連帯保証債務の債権者が受け取った弁済が返還された方が、より、Kさんにとって、免責が認められやすい方向に働くでしょう。

給与所得者等再生の欠点

給与所得者等再生という手もありますが、こちらは、小規模個人再生と異なり、弁済額が多くなる傾向ですので、本当にKさんにその弁済能力があるのか否かよく考えた方がいいと思います。

再生か破産かの判断基準

最後に、Kさんは、いい人だと思いますが、

「破産なんかしたら債権者たちが激怒する」

→だから、「せめて、再生にしたい」

という考え方は改めるべきです。

再生にしたら、債権者は激怒しないとでも思っているのでしょうか。

そもそも、連帯保証債務を支払えないと思った段階で、新たな借り入れなどしなければ、さらなる債権者を増やさずに済んだのに、その場しのぎのことをするから、余計に事態が悪くなったのです。

基本的に、連帯保証契約の書面をとられているのであれば、なかなか、その責任を否定するのは難しいのかもしれませんが、全く、その契約に問題がないのかどうかも含めて、検討すべきでした。

とはいえ、今更、そういう終わったことをねちねち責めても仕方がありませんので、とにかく、あなたとしては、Kさんに、怒られるとか怒られないとか、そういうことはひとまず考えないで、現実的にとりうる手続きを弁護士に相談しにいくように諭してあげてください。