破産できないので個人再生を希望ですが、個人再生できない場合は?

【債務整理 宮城】個人再生ができない(個人再生の失敗)

借金してるくせになんだって言われるかもしれませんが、どうしても、破産だけは避けたいのです。

そこで、司法書士さんにそれを相談したら、

「個人再生の道がある」

って言われたのですが、

「個人再生も絶対に認められるわけではない」

「個人再生も失敗に終わる場合もある」

「要件を満たさないと認められないから、破産も考えておいて」

って、言われてしまいました。

個人再生が認められない場合って具体的にはどういうことですか?

個人再生が認められない場合には絶対に破産しないといけないのでしょうか?

【回答】

個人(民事)再生の失敗は3つある

個人再生が認められないと言っても、「認められない」の意味として考えられるのは3つあります。

具体的には、

1 個人再生の申し立てが認められない(棄却される)場合

と、

2 個人再生の手続きが潰れてしまう(廃止になる)場合

と、

3 個人再生の認可がおりない(不認可の決定)場合

です。

個人再生が無理な場合(棄却)

個人再生の申し立てが認められない(棄却される)場合というのは、個人再生の申し立てをしたにもかかわらず、

「手続きの開始決定」( 手続きをこれから始めますよっていう裁判所の決定 )

すら出してもらえずに、いわゆる門前払いされてしまうケースです。

例えば、

「再生計画案の作成若しくは可決の見込み又は再生計画の認可の見込みがないことが明らかであるとき」

とか、

「小規模個人再生の要件を満たさずかつ通常の民事再生を行う意思がない旨を明らかにしていた場合」

には、個人再生の申し立ては棄却されるとされております。

たしかに、このような場合はあり得るのですが、そんなの事前に分かりますよね?(少なくとも、司法書士や弁護士等に依頼しているのであれば。)

というか、きちんと要件を満たすからこそ、申し立てをするのであって、このようなケースは現実には、あまり多くありません。

例えば、依頼者の方が何かを隠していて(例えば、書類を偽造とか)、裁判所に出した後で、その隠し事が見つかったとかいう場合でないと考えられません。

また、

「不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実になされたものでないとき」

も棄却されるのですが、

法人でなく、個人(再生)の場合でこの要件ではねられることもちょっと考えにくいです。

例えば、本当は、再生手続きなんて進める気はさらさらないけど、債権者が強制執行をかけてきそうなので、それを回避するためだけ(再生手続きが開始されると強制執行はできなくなります)に、再生を申し立てる、というような場合です。

個人の債務者の場合には、そんなことをして時間稼ぎをしたって、根本的に個人の債務の問題が解決しなければ、また、強制執行をされる危険にさらされ続けるので、基本的には、意味がないんです。

(法人の場合には、そうやって時間を稼いでおいて、スポンサーを探すとか、M&Aを進めるとかいうことは考えられます。)

個人再生の否決

これは典型的な場合としては、債権者の異議(再生計画に反対する意思表示)が一定数に達してしまったため、それ以上、再生手続きを進められなくなってしまう場合です。

これは、あり得ます。

小規模個人再生の場合には、

「書面決議」

と言って債権者の決議に付されるのですが、債権者の異議が過半数に達してしまうと、書面決議で否決になってしまいます。

ただ、債権者が1社単独で債権額の過半数を持っている場合には注意が必要ですが、そうでない場合には、そんなに異議が出されることはないので、小規模個人再生の方で申し立てをします。

ですが、例えば、30%を持っている債権者と25%を持っている債権者とがたまたま、それぞれ異議を出すという事もあり、その場合には、過半数になるので、書面決議で否決となるのです。

事前に完全に書面決議の結果を予測しつくすことは出来ませんので、このケースは小規模個人再生の場合には潜在的なリスクとしてあります。

なお、個人再生には給与所得者等再生というのがありまして、この場合には、書面決議がありません。

「だったら、最初から、全部その給与所得者等再生にしたらよいではないか」、

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、給与所得者等再生の場合には、返済額の計算がちょっと特殊で、小規模個人再生よりも返済額が高くなることが多いのです。

ですが、必ず、小規模個人再生よりも高いとは限らないので、たしかに、計算してみて、給与所得者等再生の方が返済額が低いのであればそちらを選んでもよいでしょう。

また、給与所得者等再生の場合には、所得が給与所得等で安定しているという要件もあるので、例えば、個人事業主等は選択することができません。

個人再生の認可決定が出ない(払えない)場合

こちらもあまり考えにくいんです。

例えば、

「小規模個人再生で、再生債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがないとき」

とか、

「債権額(住宅資金貸付債権などを除く)が5000万円を超えているとき」

とか、ありますが、これも、そもそも事前に分かりますよね?(少なくとも、司法書士や弁護士等に依頼しているのであれば。)

まさか、

「無職だけど、とりあへずトライしてみよう!」

とか、

「債権額は5000万円を超えているけど、お願いだけしてみようか」

とか、そんなことは、ないわけなんです。

ただし、個人再生手続きを開始後に、会社をリストラで首になるとかはないわけではないです。

ほかにも、

「計画弁済総額が債権額によって決まる最低弁済額基準を下回るとき」

とかいう要件があります。

これなんかは、例えば、当初、個人再生を申し立てるときには、

「大体3年ぐらいで、これぐらいの支払いになるかな」

とのシュミレーションをして申し立てたけど、度忘れしていた生命保険とかが出てきて、清算価値があがってしまい、結果として、返済すべき額が増えてしまったということもあります。

それなら、その生命保険を解約して、毎月の支払い原資に充てるなどの説明をして、再生計画案を立てることになるでしょうから、

「すいません。最低弁済額基準を下回る支払いしかできません」

なんて、言うはずがないんですよね。

ただ、これは、あるかもしれません。

住宅所有者に関してですが、

「債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思があると記載しながら、再生計画に住宅資金特別条項の定めがない場合」

の要件に関して、住宅資金特別条項の定めが出せない場合です。

個人再生を始める段階で、何とか銀行(住宅ローン会社)と話をして、住宅ローンのリスケをしようと計画していたけれども、銀行が、

「今までも、さんざん、遅延してきたし」

「これまでの債務者さんの態度が誠実とは程遠いものだった」

などと言って、

リスケ交渉に応じてもらえない場合です。

もともと、住宅の確保が最優先だから、個人再生を申し立てた(選択した)という方の場合には、住宅資金特別条項はつけられないけれども、個人再生をするというメリットってないんですよね。

すでに、個人再生を進める意義が見いだせなくなってしまうという状況です。

個人再生が失敗したら、その後は?

個人再生が認められない場合には、強制的に破産にさせられると思い込んでいる方がいますが、そういうわけではありません。

絶対に破産しないといけないわけではありません。

ただ、個人再生が認可決定まで漕ぎつけられなかったということであれば、
いずれにせよ、 負債は残ったままです。

債務整理のやり方として、任意整理と言って、要するに債権者の個別に期間を引き延ばしするリスケを交渉するやり方があります。

任意整理を選択して、コツコツ支払っていけるというのであれば、そちらを選択することもできます。

ただし、任意整理は債権カットがないので、債務総額が減りません。

ですので、ただ返済期間だけを延ばしても、完済するのが難しい、つまり、いかに返済期間を長期間の返済期間にしたとしても、払い続けられないということであれば、破産を選択するしかないように思われます。