【ご質問】両親の借金の整理について
お恥ずかしい話ですが、自分のことではないのです。
新潟に住んでいる60過ぎの両親が実は、借金で大変なことになっていると、今回、お盆で帰省した時に判明しました。
私から見ると実父が悪いように思えるのですが、それをさらに実母が助長していたという側面もあります。
それで、結論として、私は、
「2人揃って破産した方がいい」、
と言ったのですが、両親は頑として、
「家を手放したくない」、
と抵抗してきます。
土地建物合わせてもほとんど価値はないと言ったのですが、
「だったら破産しない方がいいじゃない」
「他人に二束三文で買いたたかれるなら、 なおさら、 自分たちで住みたい」
とか、
ほかにも、両親は生命保険に加入しているのですが、
「今さら、この年で保険に入れないし、お父さんは病気があるから保険がなくなったら困る」
などなど、母親が泣きを入れてきます。
「借金作っておいて、なんだかんだと注文つけないで!」
と、半分喧嘩して、また、仙台に戻ってきたのですが、どうしてあげたらよいでしょうか?
なお、両親には、年金と農家収入が多少あります。
【ご回答】
自宅・保険の問題があれば、やはり個人再生が適している
年金ないしは農業収入の状況にはよりますが、個人再生をお勧めします。
いくら、ご両親のご自宅が二束三文と言っても、全く無価値と言うことはないでしょうから、
自己破産ということになれば、やはり、破産管財人が任意売却をかけてしまうでしょう。
ちなみに、任意売却というのは、競売手続きによらずに、民間の業者を使って売却することです。
生命保険に関しても、
「もう、高齢なのでやめてください」
「病気のなので、解約しないでください」
とひたすら頼み込んでも解約されてしまうでしょう。
自己破産でも保険・自宅を維持する方法がある
ただ、管財人としては、解約返戻金と同じ金額が手に入ればよいので、
「解約されるのが嫌だったら、解約返戻金と同じ額で(子である)あなたが買い取って下さい」
と言うかもしれません。
ですので、その場合には、例えば、解約返戻金の額を破産管財人に渡して、生命保険の契約者名義をあなたに変更することが可能です。
そうすれば、「被保険者」をご両親にしたまま、生命保険契約としては維持できます。
また、同じような考え方で、ご両親の自宅についても、
「他人に売却されるのが嫌だったら、他人に売却する金額と同じ額で(子である)あなたが買い取って下さい」
と言うかもしれません。
その場合には、どうされますか?
貯金をはたいてまで、あるいは、ローンを組んでまで、ご両親のご自宅を買い取りますか?
そこまでのお考えがあるのであれば、自己破産を申し立ててもいいかもしれません。
個人再生における返済の履行可能性
なお、個人再生の場合には、
・ご自宅を売却したり、
・生命保険を解約する
ことは必要ではありません。
ただ、
・ご自宅の金額
及び
・生命保険解約返戻金の金額
が清算価値に組み込まれることになります。
清算価値とは、個人再生において、返済の最低弁済額を決める際の基準となるsの方が持っている財産の価値です。
清算価値が最低弁済額(清算価値以上は返済しなければならないということ)となります。
問題は、自己破産の場合と異なり、3年ないしは5年にわたって、弁済できるのか?
ということです。
年金収入はいくらなのか?
農業収入はどの程度、安定的に入ってくるものであるのか?
どの程度、今後も、ご両親は、農業を続けていけるのか?
について、再度、お話をした方がよろしいかと存じます。