～個人再生を申請したから妻もブラックリストに載って車のローン審査が通らないかについて弁護士（宮城・仙台）が回答～
【ご相談内容】自分の債務整理が妻の信用情報に与える影響について
家族の１人がブラックリストに載ると他の家族もブラックリストに載りますか？
先日、小規模模民事再生というものを申請しました。
自動車も持っていたのですが、自動車ローンの支払い途中でしたので、民事再生を申し立てると伝えて、支払いを止めたところ、当然ながら、車を引き揚げられてしまいました。
ただ、仙台でも中心部に住んでいるわけではないのと、仙台の地下鉄や鉄道の駅とはまったく離れたところに住んでおり、とても、車がないと生活していくのは難しいです。
自宅の家を買うときにも、当然、車があることを前提に購入しましたので、まさか、車が持てなくなる事態は想定していませんでした。
ちなみに、今回、この片田舎ではありますが、自宅である家を守りながら、借金（債務）の整理をするために、弁護士から勧められて、小規模民事再生という手続きをした次第です。
それで、車の件ですが、私名義では車のローンが組めないので、この度、改めて、妻名義で車を購入しようと、自動車ローンを申し込んでもらったのですが、審査の結果はダメでした。信販会社の審査に通らなかったのです。
ディーラー経由で信販会社に申し込んでもらったのに、ディーラーも
「（審査に通らなかった）理由が分からない」
というのみです。
妻は、正社員として、今の会社で10年以上勤務し続けておりますし、もちろん、借金もありません。
これは、私のせいでしょうか？
私が、ブラックリストに載っており、小規模民事再生を申し立てたから、ひょっとして、妻もブラックリストに載ったりしたのでしょうか？
それとも、小規模民事再生を申し立てる際に、妻の名前とか、年収とか、あと、課税証明書とか提出したから、裁判所から連絡があって、妻も要注意人物にされてしまったのでしょうか？
【回答】
妻が車のローン審査を落とされた理由は信販会社しかわからない
「小規模民事再生」というのは、民事再生法第二百二十一条における、
”個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額（住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び再生手続開始前の罰金等の額を除く。）が五千万円を超えないものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続（以下「小規模個人再生」という。）を行うことを求めることができる。”
の「小規模個人再生」のことですね。
それはさておき、要するに、奥さんが自動車ローンの審査に通らなかった理由を知りたいということでしょうか？
それは、分からないですね。
夫がブラックリストになっても妻は無関係
あなたがブラックリストに載ったからと言って、奥さんも併せてブラックリストに載ったりすることはありません。
正確に言うと、
「ブラックリスト」
とか
「信用情報がない人の情報を寄せ集めたようなリスト」
というものは、
そもそも存在しません。
ただ、あなたの信用情報上に、
・債務支払いの延滞があった
とか、
・債務支払いの停止（弁護士が介入した）があった
とか、
・個人再生（小規模民事再生）の申し立てがあった
とか、
いう信用にかかわる情報が登録されるというだけです。
個人単位で信用情報はそれぞれの信用情報機関で管理されております。
裁判所は信用情報には関与しない
ですので、奥さんの信用情報には、問題があるはずはないのです。
また、たしかに、個人再生を申し立てようとする場合に、
同居家族の年齢や年収
などを記載します。
場合によっては、
同居家族の給与明細や課税証明書
を提出したりします。
これは、その個人再生（小規模民事再生）の申立人の世帯の経済状況を把握し、個人再生（小規模民事再生）における再生計画がきちんと履行できるかを把握するために提出するものです。
裁判所が申立人の親族についての信用情報をどこか別に機関に知らせたりすることはありません。
というか、そもそも、そういう伝達手段というか系統がありません。
金融機関のローンの審査基準は公表されない
それから、その信販会社の審査基準というは、世上、公表されているわけではないですし、しかも、審査基準は各社同一ではありません。
ですので、信販会社がどのような点を考慮して、奥さんの審査を通さなかったのかは、本当に分からないのです。
・正社員で勤続１０年
・借金なし
というだけですと、たしかに、いかにも審査が通りそうではあります。
ですが、信販会社がどのような点に引っかかってローンを出せないと判断したのかは信販会社しか分かりません。
そもそも、今回の信販会社ですが、あなたの車を引き揚げた信販会社とは同一ではないですよね？
ないしは、同一ではなくても、グループ・系列が同じであるとかもないですか？
奥さんの年収は、そのローンの総額から見て適正ですか？
奥さんに借金がないというのは現在のみですかこれまでもなかったのですか？
奥さんは借金がないとしても、クレジットカードの利用状況はいかがですか？
あなた、もしくは、ほかの人の何かの連帯保証人になっていたりしませんか？
リースやローンの審査が通らないとか、
クレジットカードが作れないとか、
言われてしまうと、すごいあせりますよね。
そして、なんか不気味というか嫌な気持ちになります。
ただ本当に、普通にいわゆる上場企業に勤めているサラリーマンの人で、一見何の問題もなさそうでも、
審査が通らない
とか、
クレジットカードの審査が通らなかった、
などという人はいます。
再度、ローン会社を変えて、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
～個人再生を申請したから妻もブラックリストに載って車のローン審査が通らないなんてことはあるのかについて弁護士（宮城・仙台）からの回答でした～