破産も結婚もできない、夜の仕事で体もきつい~個人再生の検討

~友人のアドバイスが常に正しいとは限りません。あなたの破産・弁護士・借金についての誤解に弁護士(宮城・仙台)がご回答差し上げます~

【ご相談内容】浪費による破産と破産による結婚への影響について

まさに、今、借金地獄です。

3年前から付き合っていた彼から、いろいろ、頼まれて、次から次へとお金を貸してしまいました。

結果、借金が600万近くに膨れあがってしまいました。

もう、その彼とは別れましたが、借金だけは残ってしまいました。

昼間はOLをして、夜は水商売のアルバイトをやっています。

ですが、全然、借金が減りません。

むしろ、水商売のアルバイトのために服を購入したりしていたため、逆に、借金が少し増えてしまいました。

でも、本当に、贅沢なんてしていません。

食費もぎりぎりまで切り詰めて、節約節約で頑張っているつもりです。

しかし、本当に疲れ果ててしまいました。

もう、すべてから逃げて、実家の青森に帰ろうとも思いました。

ただ、借金取りが自宅にまでついてくるかもしれないと思うと、それも怖くてできません。

水商売のバイト先には、やはり、借金問題に苦しんでいる人が何人もいます。

ですけど、私の話をすると、

「男に貢いだ借金は破産できないよ」

とか、

「破産したら結婚もできないよ」

とか、

「旨いこと言う弁護士に大金ふんだくられてお終いよ」

とか言われてきており、やはり、どうにもならないんだと思ってやってまいりました。

ですが、本当にもう、疲れて体がしびれるぐらい苦しいので、

半ばやけっぱちで、弁護士事務所に相談にいこうかと思ってます。

ただ、そんな私ですが、できることならですが、破産は避けたいです。

【ご回答】

貢ぐ=浪費は借金できない?

逆に、そのバイト先のお友達が情報源がよく分からないですね。

「男に貢いだ借金は破産できないよ」

というのは、つまり、アレですかね?

男に貢いだから、浪費にあたる、浪費にあたるから、免責が下りない(不許可になる)。

したがって、借金の支払い義務が消えないから、破産なんか費用かけてやっても無駄。

無駄な手続きをやるだけになるから、

「旨いこと言う弁護士に大金ふんだくられてお終いよ」

って、そんな感じでしょうか?

破産すると結婚できない?

「破産したら結婚もできないよ」って言うのは何なんでしょうかね?

まあ、世の中には、「君は破産した過去があるのか?」

「そんな過去を持つ君とは結婚できない!」

という人もいるかもしれませんけど。

少なくとも、自己破産したことが、結婚できなくなるという、法的な妨げにはならないです。

それに、本当に、これに懲りて、安易に人にお金を貸したりしなければ、別に、自己破産したことを言わなくてもいいとも思いますが、それは自己判断です。

破産における免責不許可事由

それで、話を戻しまして、今回、

「3年前から付き合っていた彼から、いろいろ、頼まれて、次から次へとお金を貸していた」

ということで、破産の免責が下りないかということに関して言いますと、

最終的には下りると思います。

貢いだのと貸したのは違う

ちょっと、具体的に言うと、「貢いだ」という評価ですが、一応、貸しているんですよね?

つまり、あげた(贈与した)わけではなくて、「ちゃんと、後で返してね」っていう約束のもとで、お金を渡しているんですよね。

もちろん、あなたが借金してまで、彼に貸したというのは、やり過ぎです。

が、少なくとも、交際当時に、何か理由をつけて、借り入れを申し込まれて、あなたも、お付き合いしている彼からの申し入れなので断れなかった。

ちょっと(客観的には、かなり)無理して、借入れをしてまで、貸し付けたということでしょ?

貸したものは回収するのが基本

ですので、まずは、そもそも、彼に返してくれと言えるわけですから、

(通常、この手の貸し付けはかなり、回収が難しいものがありますが)

費用対効果で、やれるところまで回収の努力をまずはしましょう。

それで、どうしても回収できなけば、今回の件について、 きちんと、 反省してください。

おそらく、破産管財人がつくとは思います。

ですが、現状まじめに生活している点を理解してもらったうえで、裁量免責を認めてもらえるように努力すれば、最終的には、免責は下りると思います。

不確実が嫌なら個人再生

それに、どうしても、

「「思います」じゃ不安です」

「100%大丈夫って言われないと破産は嫌!」

というのであれば、何事も、100%とは言えませんので、

「個人再生」の方法を選択するというのはいかがでしょうか?

こちらにはついては、基本的に、免責不許可事由に匹敵する

「再生不許可事由」

なるものはありません。

(ついでに言うと、水商売を初めて借金増やしている点も気にはなりますが・・・)

他方で、借金の全部が免責されるわけではないので、一定程度の負債の返済義務はあります。

それくらいなら、頑張って返済できますか?

債務の合計が仮に600万円だとすると、

「500万円以上1500万円未満の場合」

はその債務額の5分の1の返済義務があります。

600万円÷5=120万円

という計算になります。

この返済を3カ年で1カ月あたり約3万3000円ずつ返済できますか?

難しければ、5か年で1カ月あたり2万円ずつ返済するのは大丈夫ですか?

それぐらいの額ならどうですか?

~友人のアドバイスが正確とは言えないことがお分かりいただけましたでしょうか?あなたの破産・弁護士・個人再生についての弁護士(宮城・仙台)からのご回答でした~