結婚を控えた息子にFXによる借金判明!~個人再生と免責不許可事由

~息子が結婚・出産とこれからお目出度続きのはずなのに、借金問題が・・・、息子の親御さんの悩みについて弁護士(宮城・仙台)からのアドバイスをさせていただきます。

【ご相談内容】FXと破産・個人再生について

昨日、息子の結納が終わりました。

実は、いわゆる、できちゃった婚と言われるものです。

その点に関しても、少しゴタつきましたが、息子もいい年まで独り身でしたし、実際に、相手の子に会ってみると、とても、真面目でいい子なので、その点は、水に流して、結婚を祝福してやることにしました。

仙台の式場を見て回っているそうです。

ところが、昨晩、折り入って話があると、私と妻に対して息子は、土下座しながら、

「借金の整理をしなければならない」

「金を貸してくれとは言わない」

「我が家を担保に不動産担保ローンを借りてくれ」

「もし、結婚前に借金がばれることになると、借金が理由で結婚できない」

と、とんでもないことを言い出しました。

借金は全部で800万円ぐらいあるとのことで、理由はFXです。

FXの追証が払えないときに借金してそれが返せないということでした。

「追証が払えない時にさらに借金する奴があるか!」

「FXで追証払えないと分かった時になぜ言わなかった!」

と言って私は怒鳴りつけましたが、

妻は泣き続けるし、おそらく、追い証が何かも分かっていないでしょう。

現実問題、この借金をどうしたものか本当に困りました。

息子が言うように、我が家を担保に不動産担保ローンを借りて息子にローン返済させるか、

突き放して、息子に借金清算ないしは債務整理を仙台ないし宮城でさせるか、

で正直、まだ決めかねております。

ただ、追証金を払えないから借金したという理由では、自己破産をすることもできないと聞きました。

個人再生とか債務整理とかそのほか何か、追証でできた借金を返せないという場合にもできる手続きがあるんでしょうか?

そんなのを宮城や仙台でできるのかもよく分かりません。

どういう選択をするのがベストでしょうか。

さらに、酷いことには、息子は、妻のカード(妻が息子の学生時代に作って持たせていた)も勝手に使って借金を100万円ほど作っていました。

最悪です。

【ご回答】

自宅を担保に金を借りるか、息子本人に責任をとらせるかを迷う理由は?

①「息子が言うように、我が家を担保に不動産担保ローンを借りて息子にローン返済させる」

か、

②「突き放して、息子に借金清算ないしは債務整理を仙台ないし宮城でさせる」

か、

どちらかを選択しようとしているのでしょうか?

まさか、本気で、

①「息子が言うように、我が家を担保に不動産担保ローンを借りて息子にローン返済させる」

かどうかを悩んでいるんですか?

そんなの絶対ダメですよ。

落ち着いて考えてください。

今、800万円の借金があって、それが返せないんですよね?

だから、あなたの自宅を担保にして不動産担保ローンを借りて、それで今ある借金800万円を、一旦、返済して、今度、新たに、そのローン会社に800万円の借金を返済していく、っていうことですよね。

そっちの返済はできるんですか?

「今までの」800万円は、返済できなかったのに、何で「ローン会社への」800万円は、返済できるんですか?

取り急ぎ、目の前の借金の問題を先送りしているようにしか思えないんですが。

月々の返済額が問題なんですか?

今までは月々の支払額がいくらだったから返済できなかったけど、

じゃあ、いくらの返済だったら月々返済できるんですか?

もし、不動産担保ローンって、返済できなかったらどうなるか分かってますか?

その自宅を担保に入れているということは、返済できなかったら、自宅を売るか、競売にかけられることになるんですよ?

②「突き放して、息子に借金清算ないしは債務整理を仙台ないし宮城でさせる」

迷うも何もなく、これしか選択肢はないんです。

FXは自己破産における免責不許可事由

「追証金を払えないから借金したという理由では自己破産をすることもできないと聞きました。」

とありますが、

現在はもう止めているんですよね?

FXをやったら自己破産できない、すなわち、FXをやったら自己破産の申し立てをしても、免責が認められないということはよく言われています。

破産法 第252条第1項第4号で、

”浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと”

が定められていますが、これが免責を認めない理由の1つなのです。

FXという言葉はどこにもありません。

FXが賭博であるというはずはありません。

浪費・射幸行為の意味

とすると、問題は、「浪費」か「射幸行為」にFXがあたるか否かということです。

ただ、「浪費」も「射幸行為」も、破産法上、どこにも定義はされていないんです。

辞書では、

「浪費」    ・・・金などをむだに使うこと。【大辞林 第三版】

「射幸(射倖)」・・・努力をせずに偶然の利益や成功をねらうこと。【大辞林 第三版】

とされています。

FXは、「射幸」行為だという人がいますが、『努力をせずに』って言えるんですか?

きちんと、いろいろな情報を分析して、トレンドを研究して、やれば、「射幸」行為ではないんですか?

FXトレーダーという仕事があり、それで生計を立てている人もいます。

では、ラーメン屋を始めてみたけど、

・ろくに味の研究もしない、

・営業もしない、

・店で新聞読んで、

・テレビ見て、

・一日ボーっとただ客を待っている、

・客が「まずい」って、ほとんど手を付けないで帰っても、一向に改善しようとしない、

こういう店主は、じゃあ、ラーメン屋という飲食業自体が「射幸」行為なんですかね?

「そんなことを私に言われても・・・」って感じですか?

いきなり、破産法の解釈をふっかけられても困りますよね。

まあ、いずれにせよ、FX=免責を受けられない(破産できない)

とストレートにそうなるということはありません。

破産における裁量免責

それから、破産法上は、破産法 第252条第2項という規定があり、

「前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合(免責不許可事由に該当する場合)であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。 」

ということで、形式的には免責できない事由があっても、いろんな事情を考慮して、 裁量免責ということで、免責をもらうこともできるんです。

個人再生に免責不許可事由はない

それにそれに、おっしゃる通りで、個人再生という手続きがあります。

こちらは、破産と違って、負債(借金)のすべてについて免責されるわけではない(つまり、債務の一部は返済しなければならない)手続きです。

ですが、その代わりというわけではないですが、「免責不許可事由」というものがありません。

ですので、借金を作った理由がFXかどうかということはそもそも問題とならないのです。

他の家族の名義のカードを勝手に使った責任

他方で、

「息子は、妻名義のカード(妻が息子の学生時代に作って持たせていた)も勝手に使って借金を100万円ほど作っていました。」

これは確かに酷い。

まあ、奥さんが何かのときにって持たせていたもので、詐欺には当たらないかもしれないけど、もうそのカードを使わないものだと奥さんも思っていたでしょうから、法的には無権代理となります。

家族だから問題にならないだけで。

それで、挙句の果てには、「実家を借金の担保に入れてくれ」なんて、よう言いますね。

とにかく、債務の問題については、

「自分で解決しろ」

「弁護士に聞いたらこういう方法があるって言っていたからお前も弁護士に相談しろ」

ってだけ言って突き放すに限ります。

もうすぐ、結婚、出産が控えているのに、これでは困りますね。

分かっていただけましたか。

~どんな子供も親であれば可愛いのは分かりますが、身内を経済的危険に陥れるような行為は許されません。心を鬼にして、むしろ、これが息子のためだと思って、毅然としてほしいというのが弁護士(宮城・仙台)からのアドバイスです~