~自己破産はブラックリストに載るけど、個人再生をやったらブラックリストには載らないとか、完済してから10年間はブラックリストから消えないとか、そもそも、ブラックリストと言うものが本当は存在しないから、ややこしいのですが、この手の話はよく聞きますので、やはり、皆さん、自分の信用情報がどのようになっているのかは、心配なんですよね。今回は、分かりやすいことを第一義に弁護士(仙台・宮城)より、ご回答申し上げます~
【ご質問内容】
妻が私の知らない間に妻の妹、つまり、義妹に対して、妻名義のクレジットカードを渡して使わせていたことが発覚しました。
なんの理由で義理の妹がクレジットカードを持てないのか、詳細は聞きませんでした。
義妹は以前、結婚していたのですが、旦那がお金にだらしないというのが離婚理由でしたので、おおかた、その保証人になったとか、そんな感じではないでしょうか。
正直、私は深入りしたくないし、妻にも深入りしてもらいたくありません。
いずれにせよ、妻名義の借金に形上はなっているので、そんなに義妹がかわいいのであれば、妻には自分で自分名義の借金の整理をしてもらいたいです。
妻も責任を感じて、司法書士だか弁護士だかの相談を受けてきて、いろいろ話を聞いた中で、今の借金を5分の1にする方法を取ると言っていますが、それって自己破産でしょうか?
世話を焼く気はないのですが、債務整理とか個人再生は、パートでもできるのでしょうか?
妻は週5勤務ではありますが、パート扱いなのです。
できれば、自己破産とかは大げさだし、私にもどんな影響があるのか分からないので、避けたいところです。
あと、債務整理とか個人再生は、ブラックリストには同じ期間だけ載るのでしょうか?
どちらかが期間が長いとか短いとかありますか?
それから、個人再生にした場合には、3年間の返済期間で返済終了となるらしいので、その終了日から何年で例えば車のローンとか住宅ローンをとか組めるようになるのでしょうか?
住宅ローンは一生無理でしょうか?
自己破産の場合にはたしか7年経てば普通に戻るんですよね?
別に、妻も私に深く相談してこないのでどうでもいいですが、念のためです。
【ご回答】個人再生・任意整理とブラックリストについて
「今の借金を5分の1にする方法」
というのは、個人再生のことです。
ですので、自己破産ではないのでご安心ください。
債務整理とか個人再生は、ブラックリストには同じ期間だけ載るのか?
債務整理(任意整理)と個人再生にまつわるよくあるブラックリストがらみのご質問ですね。
具体的には、個々のケースで、債務整理する前にすでに延滞が発生しているのか、借りているのが、クレジットカード会社なのか、信販会社なのか、銀行なのか、等によって変わってきます。
ですが、それを言い出すと、いろんなパターンがあるので、複雑になりすぎてわけが分からなくなるので、シンプルに、ただ、任意整理ないし個人再生をした場合で言いますと、
≪個人再生の場合≫
クレジットカード、消費者金融等の銀行以外の金融機関が多く加盟するCICとJICCの2つの信用情報機関に関していうと、JICCが「当該事実の発生日」から、5年間、信用情報に登録し続けます。
当該事実の発生日とは、要するに、「個人再生手続きの開始決定日」のことになります。
それから、銀行系の信用情報機関である「全国銀行協会」については、官報情報を掲載し、その情報は10年間残るので、結局、「個人再生手続きの開始決定」が官報に掲載された日から10年間は、 「全国銀行協会」 においてはブラックリストに掲載されているという状況になります。
≪任意整理の場合≫
任意整理そのものについては、CIC・「全国銀行協会」 には登録する項目がないもののJICCにおいては、いわゆる「異参サ」のうちの「参考情報」に〔カ 債務整理 お客さまが契約先に返済金額の減額等を申し入れた情報〕の項目があります。
そして、この情報は、『発生日から5年を超えない期間』とされておりますので、つまりは、任意整理を行った日から5年間は登録され続ける、ということになります。
ブラックリスト掲載期間と住宅ローン・自動車ローン
ですので、個人再生をする場合には、住宅ローンを考えてということですと10年間が官報情報掲載期間になることを覚えておくといいでしょう。
ただし、個人再生の開始決定から10年です。
車のローンに関しては信販系なら5年間、銀行系ならやはり10年間ということになります。
「自己破産の場合にはたしか7年経てば普通に戻る」っていう、この7年説は、根強く巷では信じられている、というか、そういうことを言う人がいるのか、インターネットとかSNSにそんな情報がのっているのか分かりませんが、JICCないしCICなら5年、「全国銀行協会」 なら10年です。
その「7年」という半端な数字はありません。
~とにかく、シンプルに要点だけをお答えしましたが、実際は、いろいろ複雑です。
例えば、CICのよくあるご質問には
「裁判所へ特定調停や民事再生を申請した場合、および弁護士・司法書士に債務整理を依頼した場合、自分の信用情報にその事実がコメントとして登録されますか?」との質問に対して、「特定調停や民事再生の申請および債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されません。CICに登録される信用情報は、消費者と当社の加盟会員であるクレジット会社等とのクレジットやローン取引に係わる申込内容や契約内容、支払状況などの客観的事実に限ります。また、CICに登録される信用情報には過払い金返還請求や、弁護士等が介入した旨をコメントするような登録項目はありません。」
とありますが、例えば、任意整理に着手するまでの延滞期間が長ければ、延滞については登録されますし、保証会社が代位弁済したことは、「異動」になってしまいます。
ですが、そればかり気にして、本来のやるべきことを見失わないようにしてもらいたい、というのが、弁護士(仙台・宮城)からのアドバイスになります~