会社・法人が倒産・破産した時の保証人の責任

会社が銀行から借り入れをする場合には、代表取締役が個人保証を求められるのが通例です。

会社自体が銀行に返済できている間は、保証人と言っても何もすることはありませんので、その責任を感じることはありませんが、

会社が返済に行き詰まり、倒産する事態に立ち入った場合には、保証人に対して支払いを求められることになります。

そもそも、保証人の責任というのはそういうもので、あくまで主債務者である会社が責任を果たせない場合の二次的責任となります。

会社の自己破産とセットで保証人の破産

もちろん、保証人として、本来、会社がなすべき支払い(返済)を保証人自身の財産・資力で肩代わりできればそれに越したことはありません。

しかし、通常は、会社でさえ支払いができない金額の負債・借金を個人が支払うことなどまず無理です。

そこで、会社が破産する場合には、保証人も同時に破産を余儀なくされることが事実としては多いです。

ただし、会社が破産するからと言って、個人も「破産」という手続きをとらなければならないということが決まっているわけではありません。

しかも、会社が破産すると言っても、破産費用も通常100万円以上もかかることが多いので、それを準備できないということもあり得ます。

ですので、

「払えないものは払えない。」

「ですが責任を完全に放棄するつもりはない。」

という事で、払える範囲の支払い(といっても、本当に月数万円の返済)をしながら、ずっと、毎年、銀行等ないしは保証会社に経済状況の報告をしているというケースもあります。

経営者保証ガイドライン

経営者保証ガイドラインというものをご存知でしょうか?

これは、 金融機関団体等の自主的なルールで法律ではないのですが、中小企業の経営者保証に関し、債務整理の局面等において中小企業、経営者及び金融機関による対応についての準則とされております。

そして、債務整理の局面における要件としては概要次のようなものです。

1 主債務者(会社)が法的な整理手続(破産等)を経営者保証に関するガイドラインと同時に行い、その手続きが継続ないし終結している。

2 保証債務につき、破産手続きを行った場合よりも多く回収できる(配当を受けられる)ことが見込まれ、破産にしないことに経済合理性がある。

3 保証人に破産法が定めているような免責不許可事由(浪費・ギャンブル・投機行為等)がない。

このような場合には、保証人の方は破産しなくても、特定調停等で和解(要するに債務免除)で終了させることも可能性として認められております。

ただし、これを実現に至らせるのは、まだ制度が完全に周知・理解されておらず、そもそも、弁護士でもこれを理解している者が少ない現状では、何と言っても、知識経験がある弁護士を見つけることが最優先となります。