その前に自己破産手続き中のイメージを知ってください
自己破産の期間を気にされる方は、大体が自己破産中に自分がどうなっているかについて誤ったイメージをお持ちです。
よくあるイメージは、自己破産手続き中は、謹慎中のように、裁判所から監視されて、世間や人目を避けて生きているイメージです。
差し詰め、逃亡中とか潜伏中のようなイメージですね。
しかし、何か犯罪を犯して逃げまわっているわけではないので、そういう生活を強いられるわけではありません。
依頼者の方に、破産手続き期間中に行っていただくこととしては、
【破産管財事件の場合】
・破産管財人と面談する
・破産管財人から依頼された書類の提出
・債権者集会に出席する
【同時廃止事件の場合】
(特に何もない)←仙台地方裁判所の場合
自己破産手続きが開始するまでが大変
そういうわけで、自己破産手続きが開始してしまうと、逆に静かです。
むしろ、その自己破産手続きがすみやかに開始するかどうかが問題です。
弁護士に相談・依頼してから、自己破産を申し立てるまでの2大難関は以下の通りです。
(1)書類を集めたり、思い出したりするのが大変
依頼者の方も、別に、暇なわけではないですからね。
仕事や家事の合間を縫って、さらに、
「そういえば、あの通帳ってどこやったっけ?」
「あれ?保険の資料ってここに入れておいたと思ったんだけど」
「会社にどのタイミングで、給与明細の再発行をお願いしようかな」
「銀行に繰り越し前の取引履歴をお願いしにいかなきゃ。」
等々、意外にやるとなると細々としたことがあり、この
【やってやれないことはないけど、意外にやれない】
類の作業があります。
もちろん、病気、仕事、家庭内事情等でどうしても取りに行けない場合等もありますが、当事務所では書類取得代行サービスもあります。
(2)家計簿つけるとか、反省文書くとかが苦手
①家計簿について
普段からマメに家計簿つける習慣がある人はよいですが、大概は、苦手ですよね。
ですが、こちらはコツがあります。
まず、メリハリをつけるのです。
大概、通帳を見れば、給与とか賞与とか、家賃・住宅ローンの引き落としとか、大体のお金の動きは出ていますので、その数字を拾います。
次に、水道光熱費・電話代と毎月(水道は各月)ごとに絶対に発生するものは、請求書ないし領収書をとっておくか、クレジットカードの利用明細をとっておきます。
(ただし、自己破産手続き準備中の方は、その時点でクレジットカードを使えないことが多い)
次に、こまかな日用品とか食費とかガソリン代とかは、大体で結構です。
「あれっ?シャンプー買ったのって今月だっけ?先月だっけ?」
とか
「マックで食べたときの領収書っって、どこやったかな?」
等々、こんなことを全部やっていたら、いつまでたっても終わりません。
シャンプーが先月か今月かなんてどっちかに入っていればいいですよ。
マックなんて、600円ぐらいでしょ?
大体、食費は1日1000円とか2000円とか決めているなら、その枠で大丈夫です。
②反省文について
自己破産で、浪費・ギャンブル・換金行為(ショッピング枠の現金化)で、反省文を準備してください、と言われることがあります。
浪費・ギャンブル・換金行為(安値の転売等)をしてしまうと、自己破産手続き上は免責不許可事由と言って、要は、借金の支払い義務は免除しない、という事になってしまうのが原則です。
そうなんですが、例外的に、裁量免責といって、免責不許可事由にあたってしまった人でも、なんか良いところがあれば免責を認めましょう、という制度があります。
そして、その際に、反省文が必須になります。
文章が書ける人はいいのですが、書けない人は、
【申し訳ございませんでした。】
【・・・・】
【すいませんでした。】
【・・・・】
【反省してます。】
【・・・・】
とかいう文章しか書けない人がいますね。
別に、当の本人にしてみれば真面目に反省しているけれども、いざ文章にしろと言われると、1行書いてそのあとが何も出てこず、うんうん、机の前で唸るしかない、っていう人がいます。
こういうのも、ある程度は書き方です。
【なぜ、そういうことをしてしまったのか?】
【なぜ、やめられなかったのか?】
【その結果どうなったか?】
【今はどういう状況か?】
【今後はどうしようと思っているのか?】
ということで、書いていけばいいと思うのですが、それでも難しい方は当事務所では、家計簿や反省文を作成するのをサポートするサービスがございます。
以上、この自己破産申し立ての準備期間が短ければ短いほど早く自己破産手続きの開始ができます。
そこで、多少なりとも依頼者の方にインセンティブを持っていただくために、当事務所では、早期申立て5万円キャッシュバック制度がございます。
自己破産手続きが開始してから免責の決定までの期間
大体ですが、
3か月
です。
通常の案件であれば、自己破産手続きの開始決定から、免責許可決定がでるまで3か月ですが、破産管財事件で債権者集会が配当実施や不動産処分等がある場合には、一度の債権者集会で終了せず、2回、3回と開かれる場合があります。
その場合には、当然ながら3カ月では終わりません。
ですが、すでにお話したように、
「なんか胸の中がもやもやする」
というお気持ちは分かりますが、破産手続き進行中も、生活は普通です。
どこかに閉じこめられるわけでも、見張りがつくわけでも、ありません。