個人再生ではネット銀行の2年分の取引履歴が必要

ネット銀行(ネットバンク)で、個人再生に必要な過去2年間の取引履歴がとれるか?

ネット銀行 通帳

(1)ネット銀行(ネットバンク)の現状

昔は、銀行の通帳がないなんてことはなく、取引履歴は、毎月発行されるステートメントで確認するなんていうのは、おしゃれなシティバンクぐらいでした(今は、もうシティバンク自体がないですが)。

ですが、最近は、ネット銀行(ネットバンク)は沢山あります。

【イオン銀行】

インターネットバンキングでは、過去最長13カ月分の取引明細が閲覧・ダウンロードすることができます。

ただし、個人再生で必要な銀行の取引履歴は2年間分、つまり、24カ月分ですので、13カ月分の取引履歴では足りません。

個人再生の関係では不十分です。

ですので、足りない期間分については、有料(月額216円)ではありますが、郵送で取引履歴の発行を請求して頂くしかありません。

他にも、

新生銀行

楽天銀行

住信SBIネット銀行

ジャパンネット銀行

他にもございますが、これらがご依頼者の方でよく使われているネット銀行(ネットバンク)になるでしょうか。

ただ、最近は、

三井住友銀行

みずほ銀行

三菱UFJ銀行

といったメガバンクでさえも、それぞれ、通帳をなくしていこうとしています。

【三井住友銀行】

三井住友銀行は、「Web通帳」という形で、スマートフォンでアクセスして取引明細を確認するサービスを提供しておりますが、紙の通帳は発行しません。

そして、Web通帳は、26ヵ月以前の明細は確認できませんので、適宜インターネットからお取引明細をプリントアウトまたはダウンロードしないといけませんし、昔のシティバンクみたいに、お取引明細をご郵送する等の定期的な案内も来ません。

ただし、個人再生で必要な銀行の取引履歴は2年間分、つまり、24カ月分ですので、26カ月分の取引履歴がとれるのであれば、個人再生の関係では十分です。

また、宮城県民、仙台市民であれば必ず持っている七十七銀行でさえも、「Web通帳」化を進めております。

【七十七銀行】

七十七銀行も、所定の通帳再発行手数料(1,080円(税込み))を無料とするなどして「Web通帳」への切替を行っています。

取引明細は、最長13カ月間分、スマートフォンやインターネットによりいつでもどこでも照会可能です。

「13カ月分では、個人再生の場合が足りないじゃないか」

と思うかもしれませんが、13カ月分以前の取引明細を確認したい場合は、手数料無しで取引明細を発行してもらえます。

【ろうきん(東北労働金庫)】

ろうきんも通帳不発行制度があります。

これもWEB通帳です。

お取引内容はインターネット/モバイルバンキング、もしくは「お取引明細(ステートメント)」にて確認できます。

普通預金「通帳不発行型」は通帳を発行しない代わりに「お取引明細(ステートメント)」が定期的に自宅に郵送されます。

発行サイクルは、毎月または年2回(5月末日・11月末日)ですので、こちらをとっておけば、通帳代わりにはなるのですが、もし、捨ててしまった、無くしてしまったという場合には、再発行を依頼できます。

依頼する場合は、再発行1回につき108円(消費税込)の手数料がかかります。

(2)取引明細を打ち出すためのプリンタがない場合

そもそも、ネット銀行(ネットバンク)の利点は、紙がなくても、スマホ・タブレット・パソコンで取引履歴を確認できるところにあります。

ですが、個人再生においては、取引明細を「紙」で裁判所に提出しなければならないので、プリンタをお持ちでない方は大変、困ってしまいます。

①スクリーンショットでとった画像を弁護士事務所に送る

大変ですが、取引履歴を画面上に表示して、「カシャッ」とスクリーンショット(スクショ)して、その保存された画像を添付ファイルとして、弁護士事務所にお送りいただきます。

②ネット銀行(ネットバンク)に過去2年分の取引履歴の発行及び郵送を依頼する

手数料がかかってしまいますが、基本的に銀行は、過去10年分の取引履歴を保存しているので、取引履歴発行・郵送依頼をすれば、それには応じてくれます。

③ネットカフェ、会社等でプリントアウトする

インターネットカフェ等に行けば、プリントアウトサービスがございますので、こちらも、ネットカフェに出向く必要がありますが、そこのパソコンから呼びだして印刷をかけます。
もし、プリントアウトサービスがなくても、PDFに保存することでも目的は達成できます。

当事務所にご提出いただく場合には、紙でなくても、PDFでも、画像ファイルでも結構です。

また、環境が許すのであれば、早朝ないしはお昼休み等に会社のパソコンにご自身のネット銀行(ネットバンク)のID・パスワードを打ち込んで、会社のプリンタで打ち出すか、それが出来なくても、PDF形式で保存して、自宅に持ち帰る方もいらっしゃいます。

④弁護士事務所でプリントアウトする

当事務所では、ご依頼者の方で、ご自宅でプリントアウトできない方のために、当事務所のお越しいただいて、当事務所のパソコンを使い、プリントアウトすることできるようにサポートさせていただいております。