【ご相談内容】借金減額シュミレーターのからくり

直接の質問になっていないかと思うのですが、「借金減額シュミレーター」というのをやってみようかと気になっています。

ただ、どうして、借りた先の数と借りた金額総額だけで、どれだけ減額できるのかが分かるのでしょうか?

名前とか電話番号で私の信用情報が分かってしまうという事なのでしょか?

【ご回答】~弁護士(仙台・宮城)から~

結論 借金減額シュミレーターでは、どれだけ減額できるか分からない

その借金に関する情報がその2つだけでは、どれだけ減額できるかは分かりません。

ただし、例外が2つあります。

(1)自己破産の場合

基本的に、借金の額は全額、減額されます。

なぜなら、自己破産とは、そういう手続きだからです。

ただし、自己破産にしたところで、減額されない債務もあります。

・税金(住民税、自動車税等)

・国民健康保険

・国民年金

・養育費

・婚姻費用

これらは非免責債権と言って、自己破産をしたとしても、免責されません。

つまり、自己破産をしようがしまいが、支払い続けなければならないのです。

逆に言えば、これらの非免責債権は、減額は一切されません。

借金減額シュミレーターを使うまでもなく、

全部減額されるか、一切減額されないか、のどちらかです。

(2)個人再生(小規模個人再生)の場合

基本的に、借金の額によってどれくらい減額されるかが決まります。

借金の額が100万円未満

→減額されない(全額支払う)

借金の額が100万円以上500万円未満

→100万円まで減額される(100万円を超える部分がカットされる)

借金の額が500万円以上1500万円未満

→20%(5分の1)まで減額される(80%がカットされる)

借金の額が1500万円以上3000万円以下

→300万円まで減額される(300万円を超える部分がカットされる)

借金の額が3000万円超5000万円以下

→10%(10分の1)まで減額される(90%がカットされる)

例外的に、清算価値保障ルールによって修正が入ります。

清算価値」とは、持っている財産の価値(金額)のことです。

個人再生では、持っている財産の価値(金額)以上の返済をしなければならないとされております。

上記の基準から、例えば、借金が1000万円で、持っている財産の価値が300万円の場合の返済額は?

1000万円の20%なので、200万円となりそうですが、持っている財産の価値が300万円なので、結果として返済額は300万円です。

(3)個人再生(給与所得者等再生)の場合

基本的に、借金の額によってどれくらい減額されるかが決まります。

小規模個人再生と同じです。

ですが、給与所得者等再生の場合には、可処分所得ルールによって修正が入ります。

「可処分所得」とは、所得から必要な生活費を差し引いた残りの額をいいます。

例えば、月に給与が25万円だとして、そこから必要な生活費がを引くと5万円が残るとします。

これが可処分所得です。

1年であると5万円×12カ月=60万円

2年であると5万円×24カ月=120万円

個人再生(給与所得者等再生)では、可処分所得の2年分以上の返済をしなければならないとされております。

それで、例えば、借金が500万円で、持っている財産の価値(清算価値)が110万円で、可処分所得2年分が120万円の場合を考えます。

500万円が100万円になるのですが、可処分所得2年分が120万円であるため、返済額は120万円となります(清算価値110万円は超えているので、清算価値保証ルールはOK)。

(4)任意整理の場合

任意整理の場合にどれだけ減額されるかは、債権者次第ではあるのですが、基本的に過払いの利息がなければ元本は減額されません。

2010年以前の借り入れ・返済がある場合には、利息制限法以上の利息をとっていた金融業者が多数あったため、過払い利息が発生している可能性があり、任意整理でも元本が減る可能性があります。

なんなら、元本が完全になくなってしまって、「過払い金」が発生している可能性もあります。

基本的な考え方としては、このような感じではありますが、取引履歴を取り寄せた上で、引き直し計算をしなければなりません。

なぜかというと、引き直し計算の中で「分断」と「消滅時効」の問題があるからです。

クレジットカードのキャッシングとかで、金銭を借入れ、返済をしていたけど、一旦、全て完済して、しばらくしてから、また同じカードで借り入れを開始することって、よくありますよね。

それで、その完済する前と、完済した後が全体として全て1つの取引であるとすれば、取引が連続しているとして、て引き直し計算をします。

完済前の取引では過払い金10万円が成立しており、完済後の取引では5万円の負債があるとします。

それで、完済前の取引によって発生した10万円の過払い金が消滅時効でなくなってしまっているとすると、ただ5万円の負債があるだけです。

この分断しているか、消滅時効が成立しているかどうか、は取引履歴を見てみないと分かりません。

ですので、繰り返しになりますが、借金減額シュミレーターでは、どれだけ減額できるか分からないのです。

ちなみに、いくら司法書士や弁護士でも、名前とか電話番号でその人の信用情報を取得することなどできません。

ですので、借金減額シュミレーターの計算根拠はよく分からないですが、直接、 司法書士等にお尋ねになるのがよいかと存じます。

むしろ、自己破産にしても、免責がおりない場合もありますので、そちらの心配があるたは、「簡易診断」を受けた方がいいかとは存じます。