自己破産したくない理由が(海外)旅行とクレジットカードという不思議

自己破産はできるならしたいけど、でも、破産すると海外旅行に行けなくなるんですよね?とか、クレジットカードが作れなくなるんですよね?とか、この自己破産したくない理由(質問)は本当に不思議なくらい多いです。

自己破産とは

自己破産とは、自己破産手続き時点における財産のうち一定の額以上の財産を放棄し、当該財産を換価(現金化)して、破産管財人の報酬と債権者への配当(※)に充てる手続きをいいます。

個人の自己破産においては、免責許可の申し立てを付随して求めます。

免責許可とは、債務の支払い義務を免除する旨の裁判所の許可をいいます。

したがって、厳密に言えば、破産手続きと免責の手続きは、別のものですが、破産を申し立てる方は、皆さん、債務(借金)の支払い義務の免除(免責)を得ることが目的ですので、自己破産と言う場合には両者の手続きを含めています。

※配当は破産管財人の報酬を支払い、租税債権(税金)等の優先債権を支払い、さらに余剰がある場合になされます。

自己破産手続き中の制約(破産管財事件の場合)

自己破産手続きが開始すると、自己破産手続きの廃止(終了)までの間は、破産の申立人に対して一定の制約があることは事実です。

ただし、以下の制約は、破産管財人がつくタイプの事件(破産管財事件)の場合に限った話で、破産管財人がつかないタイプの事件(これを「同時廃止事件」といいます。)には、このような制約はありません。

また、自己破産手続きが約3か月程度で終了して免責の許可が出た後は、かかる制約もなくなります。

(1)郵便物の転送

破産手続きが進行している間は破産申立人に送られてくる郵便物は、破産管財人に転送がかけられます。

従って、破産申立人からすれば、自分あての郵便物が自分には送られて来ず、破産管財人である弁護士事務所にとりに行かなければいけません。

「何も大事なものは送られてきませんよ。」

という方もいらっしゃいますが、

「〇〇の請求書が送られてきて期限内に支払わないといけないんです!」

といった緊急の郵便物を抱えている方もいらっしゃいます。

そういった方は、事前に破産管財人に

「○○の請求書が来るから、来たらすぐ連絡ください!」

と申し入れておく必要があります。

(2) (海外)旅行・引っ越しの制限

破産手続きが進行している間は破産申立人は、許可なく、居住地から長期間、離れることや引越し移転することが禁止されます。

なぜ、許可を得ないといけないことにしているかというと、破産者と連絡が取りずらくなってしますと、財産の調査等に支障を来すおそれがあるということです。

ですので、事前に、破産管財人に対して、例えば、以下のような上申を挙げて、

「〇月〇日から〇月〇日まで、××の目的のために、△△(場所)に行きたいので許可して頂けますよう上申いたします。」

と最終的に裁判所の許可をもらわないといけないのです。

たいていは、そのまま許可してくれるのですが、破産管財人によっては、

「どうしても今いかないといけないのか」

「どうして、こんなに日数がかかるのか」

と中々、許可を出してくれません。

あるいは、

日付を削ったり、

宿泊先のホテルを告げさせたり、

現地での電話連絡先を述べさせたり、

と、いろんな条件を付けてくる場合もあります。

以前、商社マンの方の破産事件があり、ちょくちょく海外出張があり、しかも、申立人としては面談等も終了してあとは債権者集会を待つばかりの状態であったにもかかわらず、担当の破産管財人がいちいち、

「なんで?(海外に行く理由)」

とか、

「どうしても4日もいかないといけないのか?」

とか聞いてくるので、その度ごとに、ちょっとした言い争いにはなっていましたが最終的には、すべて出張に行くことはできました。

引越しの場合も同様です。

特に、破産手続き中に家を売却する場合には当然のこととして、そうでなくても家賃が安いところに引っ越そうというのはよくあることです。

引っ越してはいけないと言われたことは一度もありません。

以上、繰り返しになりますが、一般的な場合には、自己破産手続きは約3か月程度(債権者集会1回)で終了して免責の許可が出ます。

その免責許可が出た後は、郵便も普通に来ますし、旅行も国内のみならず、海外でも自由に行けます。

なぜか、パスポートが発行されなくなるとか、出国制限されたりだとか、思い込んでいる方がたまにいますが、そもそも、破産手続き中でもそのようなことは全くありません。

さらには、どこへ引っ越すことも可能です。

自己破産手続きとブラックリストとクレジットカード

自己破産をすると、ブラックリストにのるというのは、本当です。

ブラックリストというか、信用情報機関に、あなたが自己破産したという記録が5年間記録されます。

ですので、これは信用情報としてはマイナスですので、クレジットカードの新規作成を申し込んでもたしかに審査で落とされるでしょう。

まとめ

ですが、落ち着いて考えてほしいのですが、(海外)旅行もクレジットカードも借金問題の解決において、それほど優先すべき事柄とは思えません。

しかも、(海外)旅行の制限など破産手続きの期間中だけの話ですし、クレジットカードについても今はVISAデビットカードなどクレジットカードと比べて機能上、ほぼ遜色ないカードがあります。

まず優先的に解決すべきことは何かを冷静に考えてみてください。