夫が隠れてリボ払いを使いすぎて沢山の借金があるので別居・離婚したい
リボ払いの危険性
リボとは、正式的には、リボルビング(revolving)です。
そして、「revolve」(英語)の意味は、「回転する」ということです。
そうすると、「revolving」は、「回転している」というのが直訳の意味です。
実際、リボ払いは、「回転信用」とも呼ばれています。
借り入れの残高に対し、月々の支払額、あるいは、月々の支払割合を決めてしまい、支払い回数を特に定めない支払いのことです。
「それって分割払いじゃないの?」
と思う方がいるかもしれませんが、リボ払いと分割払いとの違いは、支払い回数が決まっているか否かです。
分割払いの場合には、何回払いということが決まり、そこから月々の支払い額が金利も含めて決まります。
ところが、リボ払いは、月々の支払いだけが決まっているので、元本がどのように減っていくのかが分かりずらいのです。
たしかに、月々の支払いが額が少ないので、目先の支払い負担という意味では楽に感じるかもしれませんが、月々の支払いに対する金利の割合が多いので、元本は払っても払っても減らない、ということになります。
そして、月々の支払いが決まっていると、さらに借り入れや買い物をしてもそれをリボ払いにしてしまっても、月々の支払いが同じです。
分かりますでしょうか。
例えば、月々5000円の支払いなので、残高が一定の枠内で増えていったとしても、目先の支払いは増えないので、借金が増えている感じがしません。
「ちゃんと月々の明細をWEBでお知らせしてますよ。」
と言われても、そんなのろくに目を通さないです。
「『ご利用は計画的に』と注意喚起してますよ。」
と言われても、そんなの右から左に抜けていきます。
段々、借金が膨れ上がり、それに気が付いた奥さんが、冷静かつ客観的な視点で、
「こんな金額の借金をどうやって完済する気なの?」
と指摘しても答えられません。
もともと、目先の支払いしか気にしていないのですから。
夫の借金は別居する理由になるのか?
こんな高金利をずっと支払い続けることなどできず、将来、破綻するに決まっているから、もう、この夫とは別れようと思っても、夫は、
「今は支払いできているんだから問題ないだろ」
「そのうち完済するよ」
「破綻するとか勝手に決めつけんなよ」
「リボ払いなんてみんなやってんだよ」
「お前が神経質過ぎるんだよ」
等々、簡単には離婚してくれません。
そうなるりますと、とりあへず別居するか、という考えになるのは自然なことです。
ですが、
「家を出ていったら何か問題にならないかしら」
「それを理由に慰謝料を請求されたらどうしよう」
「あとで裁判とかで戻れとか言われちゃうのかな」
等々、別居するにも躊躇(ちゅうちょ)したり、不安・心配を覚える方がいます。
しかも、民法上、
”夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。”
とまで書いてあるので、不安はなおさらです。
ですが、夫婦同居義務が問題になるのは、相手が愛人と一緒に暮らし始めたとかそういう場合ぐらいです。
大体、夫婦のどちらかが出ていくというのは、何か理由があるからです。
もちろん、殴られたり等の暴力を振るわれるとか、生活費を渡さない等は当然ですが、そうでなくとも、旦那が無計画に借金をして生活に経済的な危険が及んでいるのにそれを省みない等の事情があれば当然、一緒には住めません。
家計破綻の巻き添えを食らいたくないですからね。
安心してください。
別居しても慰謝料請求されたり、強制的に家に戻させることもありません。
夫の借金は離婚理由として認められるか?
民法上、離婚理由というのは法定されています。
①配偶者の不貞行為
②配偶者からの悪意の遺棄
③配偶者の生死が3年以上不明
④配偶者の強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
以上の5つです。
どこにも夫の借金が大変な状況になっていることは書いてありません。
しかし、
「⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」
というのがあります。
何が「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかは最終的には裁判によりますが、夫の借金の問題で、こんな婚姻生活は続けられない、ということになれば、離婚理由になります。
円満調停で債務整理を条件にする方法もある
もし、夫の借金のことだけが問題で、もう一度、様子を見てもよいとか、それが治れば子供のこともあるし離婚まではしなくてもよい、ということでしたら、別居の上、円満調停を起こすこともあり得ます。
そして、矛を収めて再び同居する条件として、いまある借金について、きちんと債務整理することを提案するのです。
夫にきちんと清算してやり直したいという気持ちがあるのであれば、破産なり、個人再生なり、任意整理なりをやるはずです。
そして、実際にそのような債務整理をすると、通常はブラックリストに載るために、再度、借金をするということはできません。
ただ、気を付けてほしいのは、逆に、
「クレジットカードがないと生きていけないから」
と親に借りて債務整理するような人がいますので、それは「ダメだ」と言いましょう。
しばらくしたら、また借金をする可能性大です。