自分ではなく、旦那がFXの追証地獄に陥っているとの奥さんの不安に対して。

FXで追証が払えないとどうなるか(破産になるのか)

FX チャート

FXには証拠金維持率というものがあり、一定程度の証拠金(預け金)を預けておかないといけないルールになっております。

ですので、取引の状況に対して、入金額が少なくなる(証拠金が足りなくなる)と「追証」が発生します。

そして、所定の日時までに入金するような連絡(お知らせ)が来ます。

それで入金するとそれまでですが、入金ができないで、追証の連絡を無視・放置するとどうなるでしょうか。

無視していると、強制決済がされます。

そして、そのFX業者との取引は終了です。

ただ、例外的に、相場が大暴落して強制ロスカットが追い付かなった場合には、口座の証拠金がゼロになるだけでなく、マイナスになる場合もあります。

マイナスになっているという事は、要するに、そのFX業者に対して借金をしているのと同じ状態です。

ですので、当該FX業者から、マイナス分を埋めてください、という連絡が来ます。

そして、段々、ボルテージが上がった文章内容になり、最後は、

「法的措置をとります」

という通知になります。

ただ、実際に弁護士使って訴えてくるかというと、そう簡単ではありません。

もちろん、FXですっからかんになった人を訴える経済合理性があるのかという問題もありますし、本来は、ロスカットが適正に行われていればマイナスにはならなかったのではないか、という問題もあるからです。。

ですので、金額にもよりますが、どこまでFX業者が厳しく督促してくるのかにもよります。

追証が発生したから、即、破産しなければならない、というのは、少し落ち着いて様子を見るとともに、その追証発生の経過も含めて、弁護士に相談した方がよいです。

FXによる借金(追証)はその後、債務整理(自己破産)できるか?

FXによる追証でFX業者にマイナスが発生している場合には、それが正当な請求なのかどうかは別として、形式上は、債務になるので、債務整理(自己破産)の対象にはなります。

FXの追証が払えないが、自己破産はできない?

FXは射幸行為・投機行為なので、免責不許可事由にあたることはあたります。

あとは、その行為に対して、裁量免責が許可されるかどうかが重要なポイントです。

裁量免責とは、免責不許可事由には該当するものの、その借金ができた経緯・額・態様・反省の態度・現在の生活状況等を考慮して、裁判官がその裁量により、特別に免責を許可することをいいます。

海外口座のFXの借金を債務整理(自己破産)する際の問題点

(1)海外FX口座は追証なしが基本

海外のFX口座は追証なしが基本ですので、マイナスが出ても全てFX業者側が被ります。

「夢のようで信じられない」

と思われるでしょうが、その代わりに手数料が高いのです。

レバレッジも低く抑えようとしますし、本来の証拠金を高く設定したりします。

ですので、当然、追証なしのバーターとして利益を高くしようとしているのです。

なお、日本でも追証なしのFX業者が出てきてもいいと思うのですが、それが出て来ません。

その理由は、追証なしはFX業者に対する負担が重くなり、ひいては顧客資金に手を付けるおそれもあるから、だそうです。

まずもって理解できないですよね。

いずれにせよ、この問題は、損失補填禁止というそもそも誰のための禁止なのかという根源的な問題にかかわります。

(2)海外FX業者に、そもそも詐欺なのでは?というのが多い

「海外のFX業者を使っていたのですが損失が出ました」

「それなら、その海外業者との取引履歴をとってください」

「それが、その海外業者のホームページが突然、閉じられてしまい、電話も通じません。」

というこの手の債務者さんとのやりとりは1度や2度ではありません。

まれに、プリントアウトしたものが残っていて、それで住所を調べても、オフショアの法人で、どう見てもバーチャルオフィスだろうという会社所在地だったりします。

また、金融ライセンスについての記載もない。

怪しいことこの上ありません。

大体、案内やHPが日本語のものしかヒットしないなんてあり得ませんから、もう取引してしまった方は仕方ないですが、海外FX業者は慎重に選ばないと、普通の詐欺の疑いが多分にありますよ。

FXの借金返済ができないので自己破産を弁護士に依頼したい

FXの借金返済については、それが追証である場合には、そもそも、金融事件ないしは消費者事件の可能性も少なくありません。

場合によっては、こっちが損害賠償請求する立場なんじゃないの?と思われるものもあります。
少なくとも、FX自体の知識を有しており、かつ、債務整理の実績もある弁護士に依頼した方が両面で安心できます。

以前、いらっしゃった債務者の方には、何度、そのFXの内容を説明しても理解してもらえず、逆に、

「もっと、分かりやすく説明できないの!?」

とキレられたので、そこに頼むのは諦めたという気の毒な方もいました。