代表弁護士が語る東京ミネルヴァの問題は「事務所の経営方針」とか言う以前の問題

ミネルヴァとLVとの問題は経営でもなんでもない

ご存知の通り、弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所が弁護士会から破産を申し立てられて破産手続きに入っておりますが、しばらく音信不通だった代表弁護士が週刊誌の取材に応じて、「事務所の【経営方針】に川島弁護士が疑問を抱いたのは、代表就任から1年ほどが経った18年の夏ごろ」だとのことです。

「是正すべきだと思い、児嶋会長と話し合ったのですが、決算書すら見せてもらえません。負債などの重要な話ははぐらかされ、“一連(ママ)托生 よろしくお願いいたします。”と大きなフォントで書いたメールを送ってきたこともありました。“そんなに言うのなら、人を引き上げる”などと脅された挙げ句、派遣社員を出勤させないといったことも。事務所は私を含めた6名の弁護士と30名前後の事務員。その10名以上がLVグループからの派遣でしたから、ヒトを止められると立ち行かなくなってしまいます。それでも、“資金調達のために決算書が必要だ”と会長を説き伏せ、やっとのことで今年に入ってから決算書を見せてもらえました。そこに記されていたのが51億円の負債。私はこの時点で初めて知ったわけです。」

自分が代表なのに決算書が見せてもらえない、とか、負債などの重要な話ははぐらかされて、とか、とても弁護士が言う悩みだとは思えませんが、やる気があれば税務署に出向いて閲覧すればすぐにわかる話です。

そんなに言うのなら、人を引き上げる」と脅されたとのことですが、6名弁護士がいて、スタッフも30名のうち10名なんだったら、別に10名がいなくなっても立ち行かなくなることはありません。

もし、重要書類を持ち出されたら困るというのなら、警察に窃盗で被害届・告訴状を出せばいいんです。
 

”そして、預り金の31億円が流用されている事実に行きついたのである。”

”いかなる事情があるにせよ、弁護士がこのような経理を放っておけるのか。”

取材側もそのように指摘しておりますが、

「私は51億円の負債を認識する前から、負債が膨らんでいると予測していても児嶋会長に強い態度に出られませんでした。強引に事務所を解散させたとしても、弁護士法で定められた無限連帯責任によって、代表である私がそのすべてを負わなくてはいけません。私も家族があるので、そう簡単に破産させるわけにはいかず、どうにか再建の道を探りたい。そんな思いがあったのです。もちろんLVグループ内に相談できるような相手などいません。会長が君臨しているからです。たとえば、年末の社内研修会。忘年会と会長の誕生日祝いを兼ねて熱海の後楽園ホテルへ行きます。LVグループ約120名がバス3台で行くのですが、車内で皆、会長から酒を飲まされ、ひたすら一気飲み。当然、潰れる人も出ますが、それでも夕方にはホテルの大広間で誕生日祝いをやる。ここでも一気飲みです。この宴会の様子をみれば、会長に意見するLV関係者は皆無だと分かります。ゆずの『栄光の架橋』が社歌で、みんなで肩を組んで大合唱して終わるのですが、その前に、ビデオ上映があります。これがまた凝っている。昨年末は、会長を主人公に仕立てた、『情熱大陸』のよくできたパロディビデオが流されました」

ミネルヴァの弁護士たちはLVに対してどうすればよかったのか

もちろん、破産の選択と言うのは最悪です。

それ以前に、「強引に事務所を解散させたとしても、弁護士法で定められた無限連帯責任によって、代表である私がそのすべてを負わなくてはいけません。」と言っている点すらよく分からないです。

なんで「解散」に行ってしまうのでしょうか。

私も家族があるので、そう簡単に破産させるわけにはいかず、どうにか再建の道を探りたい。そんな思いがあったのです。

そんなに家族を思うなら、LVを追い出せば良かったんです。

広告代理店なんて吐いて捨てるほどあります。

30名のうち10名を引き上げられても別に複雑な裁判をやっているわけではないのですから、補充が必要なら募集してやりくりができるはずです。

別に、【忘年会で一気飲みとか『栄光の架橋』が社歌でみんなで肩を組んで大合唱】とか、【会長を主人公に仕立てた、『情熱大陸』のよくできたパロディビデオが流される】とか、そんなのどうでもよいはずです。

もちろん、勝手にとられたお金は取り戻す。

必要があれば、弁護士を代理人に立てて不当利得返還請求なり、不法行為(業務上横領・窃盗)に基づく損害賠償請求をすればよいのです。代表が承諾を与えていないのであればLVのミネルヴァに対する犯罪です。

結局、LVを追い出せなかったのは洗脳されていたから?

「そうはいっても、児嶋会長はすごく腰が低くて、人たらしの面がある。ふだんも、私が“カワちゃんが代表になって売り上げがよくなった”とか、“みんな喜んでいるよ”と褒めてくる。いま思えば、私は“洗脳状態”にあった気がします」

などと、洗脳状態にあったとも言いますが、6人の弁護士全員が洗脳状態にあったのでしょうか?

でも、樫塚法律事務所に契約の移行・移管だけはやっております。

週刊誌は、LVの会長にも取材したそうです。

”いまも、川島弁護士にそう言わしめる児嶋会長に話を聞いた。”

「川島さんが言っているのはウソ。ミネルヴァのお金を私が勝手に動かせるわけがないじゃないですか。広告費にしても川島さんがきちんと決済していましたよ。私は、ミネルヴァと広告のコンサルとしてのお付き合いしかしていません。未払金があって、迷惑しているのはこちらなんです」

と、不敵な笑みを浮かべる。

まあ、そんな回答でしょうね。まさか、私が勝手にお金を動かしましたとは言わないでしょう。

最後に「川島弁護士の話」として、

「私は人を助ける仕事がしたくて弁護士を志(こころざ)しました。細々とでもいいから、依頼者の一人ひとりに“相談してよかった”と思ってもらえる仕事をしたいと考えていました。負債額を知って、それを思い出した。一弁からの懲戒請求で弁護士資格を失うかもしれませんし、警察の捜査を受け、児嶋会長と共に刑事的な責任を問われるかもしれませんが、とにかく依頼者の方々に謝らなくてはいけないと考え直したのです。本当に、申し訳ありませんでした」

”代表弁護士の懺悔は、依頼者に届くか。”

などと締めくくっておりますが、とても、この一連の対応を見ていると、思慮が浅いようにも思われますし、逆に、ミネルヴァから樫塚法律事務所に案件を移行したことについて煙幕を張っている(思慮が深い)ようにも思えます。