東京ミネルヴァの解散・破産

過払い金返還請求をメインの業務としていた弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所が破産を申請され、それが受理され、手続き開始が決定されたことについて、弁護士が複数名集まり「被害対策全国弁護団」を結成したとのことです。
電話相談も行っているようです。

また、弁護士会も調査を進めて、事務所の懲戒手続きに加え、刑事告発も視野にいれているとのこと。

もちろん、さらには、破産管財人も流出した財産の回収を図れないか検討しているはずです。

被害回復とはお金をどれだけ回収できるかに尽きる

問題は、どれだけ被害が回復できるか?つまりは、お金の問題に帰しますが、ミネルヴァのお金がどこへ行ったかというと広告会社に多くが広告費名目で支出されたそうです。

ここで、疑問に思う人がいるかもしれません。

「広告費として支払ってしまったものを取り戻せるの?」

「それなら、電話代や家賃や電気代や交通費も取り戻せることになって逆におかしいんじゃない?」

その通りです。

いくら過払い金に手をつけたお金であっても、電話会社や大家さん、電力会社や鉄道・タクシー会社が受け取ったお金を取り戻すのは困難です。

これは、実は、普通の人には小難しい「騙取金による弁済」という議論になるのですが、分かりやすく言うと、その返済に充てられた金が横領金のような不正な金であることを知って返済を受けた場合には、そのお金を受領するだけの正当な理由がないとされるのです(つまり、結論として受領したものでも返還しなければならない)。

ですので、その広告会社が預り金のひも付き金銭だと知って受領している場合には、有効な支払いだから返さない、とは言えないはずなのです。

この辺りを、破産管財人はついていくのか、あるいは、もっとズバッと広告費名目は仮装であり、金銭を移動させただけに過ぎない(預り金はミネルヴァの口座から広告会社の口座に移っただけで、そのお金はミネルヴァのものである)と構成するか。

他にも、いくつか理屈は考えられますが、ただ、あんまりゆっくりしていると、その広告会社はさらに金銭を隠したり、逃してしまう可能性が高いです。

ミネルヴァの弁護士が被害拡大を防げなかった経緯

以下の報道に結構詳しい経緯が書いてあります。

https://diamond.jp/articles/-/241503

”川島弁護士は状況を打開するため、集客アップで収益改善を図り、依頼者へ返す資金を捻出しようとした。だが、そのためには結局兒嶋氏の力を借りざるを得ず、同氏への依存がますます深まる悪循環に陥っていった。本来消費者金融から過払い金が入金される銀行口座は、事務所の運営経費とは分別管理する必要がある。”

”ところが、兒嶋氏が送り込んだ経理担当は指示されるまま同氏サイドへの送金を繰り返した。川島弁護士はことあるごとに是正を試みたが、兒嶋氏は「広告をストップする」「派遣社員を引き揚げる」などと脅すような態度を取ったり、「一蓮托生よろしくお願いいたします」といったメールを送ったりするなど、一切逆らうことができない状況に追い込んだという。”

「川島弁護士は状況を打開するため、集客アップで収益改善を図り、依頼者へ返す資金を捻出しようとした」とありますが、本当にそれで資金をねん出できると思っていたのでしょうか?

集客アップしようが、売り上げ拡大しようが、利益率が改善しようが、そこに穴の開いたバケツに水を入れるようなものです。そもそも、「兒嶋氏が送り込んだ経理担当は指示されるまま同氏サイドへの送金を繰り返した」とありますが、これが止めない限り、被害がストップするはずがないのです。

こんなの弁護士法人でもなんでもなく、会社組織の体をなしていないです。

どんな業態であろうと、こんなの継続させるのは無理です。

「弁護士として」「弁護士法人として」などと言う以前の問題です。

いくら、「広告をストップする」「派遣社員を引き揚げる」などと脅すような態度を取られた、「一蓮托生よろしくお願いいたします」といったメールを送られた、と言っても、それで解散だ、破産だ、となるぐらいなら、むしろ「広告をストップして」「派遣社員を引き揚げて」メールを受信拒否すれば良かったのではないでしょうか。

川島弁護士はことあるごとに是正を試みた」って言いますが、何をしたのでしょうか?

確かに、「兒嶋氏」と対立状態になるのは、楽しい話ではないでしょうが、一応、弁護士なのですから、そういうこができないというのだと、線が細すぎるというか、デリケート過ぎて、そもそも弁護士に向いていないとしか言いようがないです。

ただ、もちろん、実は報道に表れていない、例えば、家族の命を奪うとか、そういうことを言って脅されていたのであれば話は別です。

リーガルビジョンが他の弁護士事務所にも関与しているという

”そのリーガルビジョンの親会社がRVHであったことはすでに述べたが、RVHはリーガルビジョンへの貸付金負担が重いなどの理由で株式を売却し、18年11月にトラストフィナンテック(株)〔渋谷区〕なる投資会社が新たな親会社となった。”

”トラストフィナンテックは、長野市で税理士事務所を経営する兼子修一氏が同年3月に設立したばかりで、TBSテレビ「サンデージャポン」にレギュラー出演する細野敦弁護士(元東京高裁判事)が監査役に就任している。”

”取材によれば、リーガルビジョングループの売り上げの7割は東京ミネルヴァに依存していたため、いちばん太い金づるを失った同グループも大打撃だ。”

リーガルビジョングループの売り上げの7割は東京ミネルヴァに依存していた」ということですが、逆に言えば、3割は東京ミネルヴァではない事務所からの上納金もあるということです。

”「兒嶋氏の実質支配下にある事務所は東京ミネルヴァだけではない」という。”

”都内や大阪のいくつかの弁護士事務所と司法書士事務所が実質的に支配下にあるとされ、同様の問題が起きている可能性が高い。”

弁護士事務所なら弁護士会が調査できるかもしれませんが、司法書士事務所だったらどうするんでしょうね。

兒嶋氏の実質支配下にある事務所は東京ミネルヴァだけではない

という事であれば、樫塚法律事務所は、真っ先に調査の対象になるはずですが、この報道においても、多くのミネルヴァ案件を引き継いだ樫塚法律事務所については何も取材や調査が載っていませんでしたので、続報に期待。