東京ミネルヴァについてのいろいろな報道がありますがコチラは分析が鋭いかも

弁護士を分かってる感じの記事

弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所は、解散⇒破産の状況ですが、この件についての様々な報道が出されております。一部には、この取材者は、あんまり良く分かっていないなあ、と思われるものもありますが、「井出豪彦:東京経済東京支社情報部」の【過払い金CMの大手弁護士法人、「東京ミネルヴァ」破産の底知れぬ闇】というのは、なかなか事態の考察が鋭いです。

https://diamond.jp/articles/-/241503

”消費者金融を利用したことがある人に、過払い金利の返還が受けられるとの広告を大量に流していたことで知られるが、破産の背景には、依頼者に支払われるべき過払い金、少なくとも30億円が弁護士法人を実質的に支配する広告会社により流用されてきたという、弁護士にあるまじき不祥事があることが分かった。”

”東京ミネルヴァが所属する第一東京弁護士会(一弁、寺前隆会長)は、東京ミネルヴァ代表の川島弁護士による6月10日の法人解散と預かり金流用の告白を受け、22日に臨時電話窓口を設置。”

”さらに、財産保全のため、一弁が会費未納に基づく債権者として24日に東京地裁へ破産手続き開始を申し立てるという非常手段に踏み切り、地裁も直ちに開始決定を出した。”

”なお、破産管財人に選任された岩崎晃弁護士(岩崎・本山法律事務所)も一弁所属である。”

とこのあたりの時系列に沿った説明は、丁寧に取材した上での実態をよく理解した人でないと書けない記事です。

ミネルヴァにくっついていたリーガルビジョンの実態

”ミネルヴァを支配していた、今回の破産劇の黒幕ともいえる広告会社とは(株)リーガルビジョン〔渋谷区、代表 霜田広幸〕である。

”兵庫県出身で、消費者金融大手の武富士で札幌支店長までつとめた兒嶋勝氏が04年4月に設立した(株)DSC〔渋谷区〕がリーガルビジョンの前身。士業の広告解禁を受けて創業した、士業専門の広告代理店だ。”

”同社は弁護士などへの相談を取り次ぐサイト「法律の窓口」も運営し、過払い金ブームに乗って業績を伸ばした。だが、東京国税局の査察を受けたことで身売りに動き、14年11月に東証2部上場の(株)RVH〔港区〕の子会社になった。”

”そして、翌年2月に国税が正式にDSCと兒嶋氏を1億3000万円の脱税(法人税法違反)容疑で東京地検に告発する事態となり、同年4月には「法律の窓口」のサイトを含む事業の受け皿会社としてリーガルビジョンが設立された経緯がある。代表に就任した霜田氏は、兒嶋氏の武富士時代の後輩で、DSCでも部下だった人物。表向き「兒嶋氏とは縁を切った」と話していたが、裏では兒嶋氏が絶対権力者の「会長」として支配する体制が続いていた。”

”兒嶋氏は、DSCとは別に淡路島で実質経営していた貸金業者で、出資法違反(違法金利)容疑での逮捕歴もあるいわく付きの人物だ。”

この辺の事情は普通の人は分からないですよね。兒嶋という人物は、ごっつい脱税や違法金利の金貸しをやっていたのですね

ミネルヴァが赤字になる理由

”リーガルビジョンもDSCと同様に経営が苦しい弁護士事務所に近づき、過払い顧客を集めるための広告プランを作成。「武富士の社員が破綻時に持ち出した大量の顧客リストをもとに営業しているのはないか」とささやかれるほど、兒嶋氏は集客がうまかった。”

”さらに「士業専門の総合アウトソーサー」を標榜し、関連会社のキャリアエージェンシー(株)〔渋谷区〕が事務員や相談員を派遣し、経理業務も含め事務所の運営は、事実上、リーガルビジョン任せになってしまう。”

”東京ミネルヴァの場合、「オフィスをはじめ通信回線、サーバー、事務所ロゴの商標権など、なにからなにまでリーガルビジョングループから兒嶋氏の言い値で借りていた」(事務所関係者)ため赤字が累積。昨年3月末時点の債務超過額は実に31億8100万円に達していた。”

なるほど、なるほど。

【なにからなにまでリーガルビジョングループから兒嶋氏の言い値で借りていた」(事務所関係者)ため赤字が累積】

これに尽きますね。これが諸悪の根源です。

これではどれだけ売り上げをあげても、兒嶋氏が鉛筆舐め舐めして、請求書を送り続けてくる以上、絶対に、ミネルヴァは正常化できません。

そもそも、兒嶋氏は東京ミネルヴァから金を移動させたら、後は、東京ミネルヴァを潰して、また別の弁護士事務所を探そうぐらいの意識だったのでしょう。

ミネルヴァを使って返還された過払い金を食いつぶすつもりなのですから、まともな付き合いができるはずがないんです。

もっと前なら東京ミネルヴァは再生できたはず

”実は東京ミネルヴァが返還前の過払い金(預かり金)に手を付け始めたのは、かなり前からのことである。初代代表の室賀晃弁護士が15年に死去し、後継者の河原正和弁護士も体調不良で辞任した末、川島弁護士が3代目代表に就任した17年8月には「預かり金4億円の穴があいていた」という。”

”だが、過払い金返還請求の依頼者は消費者金融との交渉をすべて東京ミネルヴァ任せにしているため、資金の返還が遅れてもそれほどせっついてこなかったようだ。”

であれば、この時に、この川島弁護士に経営センスがあり、かつ、腹が座っていれば事態はここまでならずに改善できたという事です。

4億という金額はもちろん大金ですが、当時のミネルヴァの売り上げ規模からすれば、兒嶋氏と縁を切って固定費の削減圧縮だけでも収支は改善できたはずです。

もちろん、その間は、弁護士連中は無給で働かざるを得ないでしょうが、最終、破産になるぐらいなら、その程度の覚悟は必要です。

リーガルビジョンが食い物にしたということですが、弁護士たちは役員報酬・給与をいくらもらっていたのかは書いてありませんでした。

宮城(仙台)にも東京ミネルヴァの被害者の方がいて、相談にいらしています。本当に、1人1人に連絡して説明してもらいたいものです。