自分が借金をしなくても借金を抱えることもある【相続】

弁護士さんに債務(借金)の整理を依頼したのですが、その借金と言うのは、もともと、私の借金ではなく、亡くなった夫がつくった借金なのです。

夫が亡くなり、夫が借金を作っていたことは分かりましたが、その金額も大きな金額で、心当たりがないかと思いしてみても、贅沢していた風でもなく、いったい、いつ、どうやってに、何のためにした借金なのかはさっぱり思いつきません。

夫が亡くなったのも突然でしたが、家の名義も夫で、その家には妻である私と子供が住んでおります。

私自身は、専業主婦ではありませんし、夫とも仕事上は全く無関係です。

私は、小売りを個人事業主として行っております。

そんなに儲かってはいませんが、まあまあコンスタントに売り上げがあり赤字ではありません。

従業員は社員はおろか、パートやアルバイトも使わずに完全に一人で店を回しておりますので人件費もかかりませんし、店頭の商品も全て委託販売ないしは仕入れ消化の形を認めてくれるメーカーさんとしかお付き合いがありませんので、在庫を抱えなくて済みます。

在庫がありませんので、もちろん買掛金もありません。

そして何より無借金です。

私の子供はもう成人して、働きに出ております。

営業やら総務やらと職種も問わず、いろいろな会社に入って、しばらくすると合わないと辞めたりしており、この子は大丈夫かしらと不安に思うこともありましたが、ようやく介護関係のお仕事についてから落ち着いて仕事をしてくれるようになりました。

私は昔の人間なので、私から見ると子供は単に怠けたいだけなのではないか、などと思う時もありましたが、本当に自分に合う仕事を探していただけなのです。

住宅ローンは借主が死亡すると支払い義務がなくなる【団体信用生命保険】

夫が亡くなったときは、もう住宅ローンなんて支払いできないし、家は手放すしかないのではないかと思っておりましたが、実は、夫が亡くなったときに備えて保険に入っていることが分かりました。

団体信用生命保険という保険で、この保険により、夫が亡くなった以降の保険の支払い義務は無くなったのです。

つまり、夫の死亡により、家は相続財産という事になりました。

夫婦ですのでいろいろありましたが、夫が最後に私と子供に家を遺してくれたのだと、子供と一緒に、感謝しないとね、などと話しておりました。

住宅ローンはなくなっても他の借金があることが判明

ところが、自宅については団体信用生命保険がおりて、住宅ローンという借金はなくなったものの別に借金があることが判明したのです。

いろいろな会社、例えば、アコム、プロミス、アイフル等の消費者金融会社やクレジット会社、そして、信用金庫のカードローンまで、「お支払いのご案内」や「督促状」という書類が送られてきており、机の中に無造作に放置されておりました。

子供がいろいろ書類を整理して、それをコンピューターでまとめてくれました。

合計すると、約500万円ぐらいの借金になりました。

私や子供と同居していたのですから、夫がギャンブルや女性のためにお金をつかったということは、まずあり得ないと思います。

お酒は多少飲む程度で、お酒を外で飲んで帰ってきたということも歓送迎会や忘年会のようなときでもない限り、記憶にありません。

家での飲食についても、お酒を含めて日々の買い物は私がしておりましたし、結婚した時から亡くなるまで堅い職場にずっとお勤めしていました。

私のように何か商売をしていたわけでもありません。

結論として、本当に謎です。

謎ですが、ショッピングではなく、全部キャッシングやお金の借入れでした。

ただ、思い当たらないとは言っても借りてないとも言えず、放置しておけば、次々と督促状や請求書のような怖い書類ばかりが送られて来るので、誰かに相談しないともう無理だと思いました。

しかし、こんな身内の話を誰に相談すればいいのかなんて思いつきませんでした。

親もいませんし、兄や弟がいますが、相談できるような内容ではありません。

だったら、市役所にでも行けばいいいのか?どうしようかと悩んでいると、なんと子供がこういう借金で困ったところでしかも、自宅からそんなに遠くない所で探してくれました。

それが今の弁護士さんです。

ようやく弁護士に辿り着きはしたものの、弁護士さんにこんなことを相談すると、債権者に通知されたり、家を売れされたりするのではないかと思って、すぐには相談のお電話をすることができませんでした。

子供からは、

「もう、いつ行くの?」

と言われていましたが、

「ちょっと落ち着いたら相談してみるから」

と問題を先送りにしていたわけです。

決め手は最終訴訟予告通知と子供

ところが、そうこうしていると、クレジット会社より、

[最終訴訟提起予告通知]

という手紙が送られてきました。

支払いが滞納しており、しかも、返済の連絡もないので、裁判所という所に裁判を起こすということでした。

もし、裁判になったら、給与とか家とか財産を差し押さえる手続きも進むということも書いてありました。

ですが、1週間以内に、返済の話し合いをするのであれば、まだ間に合うので連絡してほしい、ということでしたからその会社に連絡しようと思い、子供に話したら、

「それで、なんて話するの?」

「お母さん1人で行ってどうするつもりなの?」

「これから他にもこういう連絡が来るかもしれないよ」

「自宅を売却して返済に充てられたらどうするの?」

「どうしても家を売らなきゃいけないなら仕方ないけど、お母さんがちゃんとできると思えない」

「早く、弁護士さんに相談に行ってよ!」

と怒られてしましました。

それで、子供には、

「弁護士さんの所にちゃんと行くから。」

「この会社さんには連絡だけしようかと思っただけ。」

と言ったら、

「とにかく、早くいつ相談に行くかを決めてよ!」

と、グダグダしていた私に子供はカツを入れてくれました。

私も一応は商売のことは分かっているつもりですが、なにせ、借金とかと無縁な人生を送ってきた上に、夫が存命中は、家庭内のことはほとんどが夫が決めてきましたので、いざ、今回のように夫が死んでしまうと、私の思考は停止してしまいました。

そんな頼りない、一人でロクに決断もできない私に、子供がいてくれて助かりました。

いつの間にか、子供の方が私よりもしっかりしていました。

子供の言うように、私の頭であれこれ考えたところで意味がないので、弁護士事務所の相談の予約を入れて頂きました。

相談の日はお店を1日閉めて、私一人で行こうとしていたところ、なんと、子供も有給休暇をとってくれていました。

私一人では話が進まないと思ったのか、自分でもいろいろと聞きたいと思ったのか。

いずれにせよ、私にとっては心強い限りでした。

・・・続く。

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