債務整理の費用に関して出てくる用語

債務整理をする場合には、弁護士費用は当然気になるところだと思います。

債務整理費用ないしは弁護士費用は通常は耳慣れない言葉が多いかもしれませんので、用語の説明とともに、当事務所の費用をご紹介します。

【個人再生】

◆基本 39万円+税+(印紙・郵券・交通費・通信費)

※単身(家計の収入に影響をあたえる他の家族なし)、給与所得者、債権者5社以内、浪費・換金行為・偏頗弁済なし、住宅ローン特則なし

(ご説明)

「基本」というのは、個人再生手続きをご依頼いただいた場合で、最も最小限の費用という意味です。

「単身世帯」というのは、「家計の収入に影響をあたえる他の家族」がいないということですので、例えば、奥さんが完全な専業主婦とか、子供で就学中であるとか、そのような世帯であれば、単身世帯という扱いになります。

 逆に、年配の両親等であれば何もしていなくても年金収入があると思われますので、その場合には「単身世帯」にはなりません。

 ただ、実家に戻ってはいるものの、単に実家の一室に寝泊まりしているだけで、全く、収支が別という事であれば、それはまた「単身世帯」扱いになります。

「債権者5社以内」というのは、債権者が5社まで、ということですが、よくあるのは、同じ債権者でも、キャッシングとどこかのローンの保証会社をやっていてその保証をしたとか債権譲渡がなされて債権を譲り受けたということで、同じ会社なのに、債権は2本、3本になることがあります。

 もちろん、その場合でも、1社は1社のカウントになります。

 そういう意味で言うと、当初の段階では、債権者が別々だったのに、同じ債権者となって、債権者数が減るという事があります。

「浪費・換金行為」等については、個人再生の場合には、浪費であっても、換金行為であっても、それを理由に免責が認められないという事はないのですが、開始決定が出るまでの間に、裁判所から、浪費・換金行為の内容を明らかにするようには求められますので、その場合には、正直に内容をまとめて申告しなければなりません。

「偏頗弁済」とは、支払い停止ないし支払い不能後に、特定の債権者だけに返済をすることです。

 よくあるのは、知り合いだから、重要な取引先だから等々の理由から、その人(会社)からの借金だけは返すというような行為です。

 このような行為は債権者平等に反する行為で他の債権者からの怒りを買う行為です。

 ですので、その「偏波弁済」についてはペナルティとして、個人再生の場合には、清算価値といって、その人の手持ち財産の計算において、その人の手持ち財産にプラス「偏波弁済」の額が加えられるので、その偏頗弁済の調査、その額の算定は重要な作業となります。

「住宅ローン特則」とは、正式には、住宅資金特別条項と言います。

 自己破産の場合にはこのような特例はないのですが、個人再生を借金整理の方法として選択した場合には、この住宅資金特別条項というものをプラスすることが認められます。

 個人再生が開始されると、全債権者に対する全ての借金の返済が禁止されるのが原則です。

 ですので、住宅ローンも借金なわけですから、その返済も原則として禁止されます。

 ただ、返済しなければ当然ながら、住宅ローン会社(銀行等)は、最終的にはその住宅を競売にかけます。

 競売にかけられれば家は他人の物になり、自分や家族は出ていかざるを得なくなります。

 それでは自分たちは、またアパートを借りて、今度は住宅ローンの代わりに毎月家賃を支払わなければなりません。

 そこで、住宅資金特別条項という特別の条項を個人再生の計画に組み入れることで、住宅ローン会社に対する返済だけを特別にできるようにするのです。

「印紙」というのは、収入印紙です。

 個人再生を申し立てる場合には、1万3496円が官報公告費用として、収入印紙の提出が求められます。

「郵券」というのは、郵便切手代です。

 債権者の数にもよりますが、通常は、4000円程度です。

「交通費」は裁判所に行く費用ですので、仙台地方裁判所に行く場合にはかかりません。

「通信費」は電話・fax・ゆうパック等の費用ですが、数百円~二千円程度が通常です。

◆加算・・・

複数所得世帯 5万

債権者 6社目から 1社(名)ごと 1万 (上限5万)

・住宅ローン特則 5万

・浪費・換金行為・投機行為・偏頗弁済調査 5万(複数行為あっても同じ)

・個人事業主加算 5万

例:共働きで、本人は個人事業主、浪費・換金行為・投機行為・偏頗弁済のいずれかありで、住宅ローン特則ありの場合で債権者10社

◆最大限  39万(基本)+25万(加算)=64万+税+(印紙・郵券・交通費・通信費)

◆キャッシュバック 事務所からご依頼した書類をすみやかにご準備いただけて、3か月以内に申立てに至った場合

・申立てが完了した時点で、5万円キャッシュバック

【自己破産(個人)】

◆基本 34万円+税+(印紙・郵券・交通費・通信費・管財事件の場合、別途予納金)

同時廃止、単身(家計の収入に影響をあたえる他の家族なし)、給与所得者、債権者5社以内、浪費・換金行為・偏頗弁済なし

・自己破産における「同時廃止」手続というのは、要するに、破産管財人がつかない手続の種類をいいます。

 対義語は、「管財」手続です。

 それで、どのような場合に、管財人がつくかというと、20万以上の資産があるとか、個人事業主であるとか、浪費・ギャンブル等で借金を作ったとか、偏頗弁済があるとか、管財人弁護士をいれて何か調査が必要な場合、あるいは、破産管財人が何か処分(売却・回収)しなければならない財産、車、有価証券、貸付金、売掛金がある場合に、管財人がつけられます。

 管財人をつけるかどうか、どの弁護士を管財人につけるかは、裁判所が判断しますが、裁判所の指示によって、つけられた管財人の報酬は、自己破産を申し立てた人が払うのです。

 これを管財費用と言います。

◆加算・・・

・管財事件加算 5万

・複数所得世帯 5万

・債権者 6社目から 1社(名)ごと 1万 (上限5万)

・浪費・換金行為・投機行為・偏頗弁済等、免責不許可事由に対する裁量免責の申立て 5万(複数行為あっても同じ)

「免責不許可事由に対する裁量免責の申立て」とは、浪費・換金行為・投機行為・偏頗弁済等は、借金の支払い義務を免除しない(免除を許可しない)理由となるのですが、それでも随分前にやめているとか、反省しているとか、かくかくしかじかで、免責してください、という申し立てをすることです。

 個別に事案に即して、たとえ、免責不許可事由があっても、裁判官の裁量により、なんとか免責してもらえませんでしょうか、という主張になります。

・個人事業主加算 5万

例:共働きで、本人は個人事業主、浪費・換金行為・投機行為・偏頗弁済のいずれかありで、住宅を売却した等の事由により破産管財事件となり、債権者10社

◆最大限  34万(基本)+25万(加算)=59万+税+(印紙・郵券・交通費・通信費)

◆キャッシュバック 事務所からご依頼した書類をすみやかにご準備いただけて、3か月以内に申立てに至った場合

・申立てが完了した時点で、5万円キャッシュバック

【任意整理】

◆1社あたり 5万円
・減額報酬金 10%
  
・過払い金返還報酬金 過払い金の20%(ただし、訴訟で回収した場合は25%)

【消滅時効の援用】

◆1債権あたり 5万円(時効調査を含む)

【自己破産(法人)】

◆基本 100万円+税+(印紙・郵券・交通費・通信費・管財事件予納金)

◆加算・・・

・処分加算 5万~(資産の種類・数・担保状況等によります)

・債権者(金融機関を除く)加算 1社(名)ごと3万

・労働関係加算 5万~

 ※従業員の数、給与等支払い状況等によります

・仕掛・在庫調査加算 5万~

 ※仕掛・在庫の種類・数・担保状況等によります

・売掛・未収金回収加算 5万~

 ※売掛・未収金の種類・数・担保状況等によります)
       

~法人(会社)の場合には、会社の規模等により異なりますので、正確な費用はお見積もりをさせていただいたうえで算定させていただきます~

~~以上、別途、消費税がかかります~~