実家が自己破産した場合、親(義父)の破産の影響は?
もちろん、家族の誰かが自己破産した場合には、他の家族への事実上の影響は避けられないでしょう。
それが会社の倒産(破産)も一緒であるとすればなおさらです。
ですが、明確に区別して欲しいことがあります。
家族が影響を受けるのは、
「その親の会社が倒産状態になったから」
なのです。
倒産状態になっただけなら家族は別に何の影響もなかったけれども、破産手続きをとったから家族に迷惑がかかるようになった」
ということは絶対にありません。
倒産状態になると、
・債権者からの督促が厳しくなり、社長の自宅にも郵便物・電話・来訪がある
・お金に窮しているので生活が苦しくなり、様々な支払いができなくなる
・家や車等の財産を売却したり、保険を解約したりしなければならなくなる
・他の家族が働きに出たり、経済的に援助しなければならなくなる
・社長自身がイライラして、家族内・親族間の関係が険悪になる
等々の影響が出て来ます。
むしろ、これらのうち債権者からの督促に終止符を打つための手続きが「(自己)破産手続き」なのです。
自己破産は無責任だし子供・両親に迷惑なのでしない
倒産状態になって、生活が滅茶苦茶になっているにもかかわらず、しかも、家族にも様々な影響を及ぼしているにもかかわらず、
「自己破産するなんて無責任だ」
「自己破産すると子供に迷惑がかかる」
「自己破産なんて両親に顔向けできない」
等々、言って自己破産をすることを断固として受け入れない人(社長)もいます。
「じゃあ、どうすんの?」
「借金返せないんでしょ?」
「破産しないならしないで何とかしてよ!」
子供たちはそう思います。
親が借金で破産した場合の子供の責任
親や親が経営する会社を自己破産させた場合、どのような責任が子供に生じるのでしょうか?
何度も言いますが、
「自己破産するから子供に迷惑がかかる」
わけではありません。
自己破産しようがしまいが、それ以前に会社が経営困難になったことにより迷惑がかかるんです。
自己破産手続きがなされたからって、連帯保証人でもない子供に、債権者が
「親に代わってあんたが支払え」
と請求できるわけではありません。
しかも、自己破産手続きを行い免責の許可が下りれば、それ以降、債権者が督促することもできなくなります。
法人破産に強い弁護士を宮城で探すことが必要
法人破産はその手順が超重要です。
ただ、なし崩し的に破産手続きを始めてしまうと、その過程で、手続き自体が頓挫してしまいます。
時間的に切迫している中で、事前に在庫・売掛・買掛・仕掛・従業員・外注・請負等々の整理の順序を大まかに決めて、スムーズに、破産管財人に引き継がなければなりません。
加えて、社長がもう年金生活に入るというのであれば、その後の就職等は考えなくてもよいですが、まだ働き盛りなら、次の仕事のことも考えないといけません。
加えて、住居の確保、子供の問題、等々、いろいろ生活再建に向けてのライフラインの整備もしなければなりません。
いろんな問題が出てくるので、頼りがいのない、決断力のない、しょうもない弁護士に頼むと地獄です。
何を聞いても、
「そういうことは分からない」
「管財人の先生がやってくれないのなら自分でやってください」
「6時以降は連絡はつきませんので、明日以降にお願いします」
そして、挙句の果てには債権者集会で社長がつるし上げにあっているのに、その弁護士はうつむいたまま
等々、ただでさえ、破産という大変な手続きを行っているのに気が狂いそうになりますよ。
仙台市で会社を営む社長の借金相談から自己破産までの話
鉄鋼関係の商品の商社の社長さんが憔悴しきって借金相談に来ました。
ぎりぎりまで頑張ったけれども、最後の方は、ヤミ金にまで手を出していました。
そして、ヤミ金の督促が半端ないもんだから、会社自体をどう閉じるかという本質的なところまで全く思考が及ばないという状況でした。
実は、ヤミ金は、督促は大変ですが、法的には、ああいう連中には債権者としての資格さえ認められません。
破産手続きでも、参考情報にはなりますけど、まともに債権者として扱う必要すらないのです。
とはいえ、うるさいのは間違いないので、社長本人にはもう電話を充電させないで、ヤミ金にはこちらから連絡して、最後は、警察からも2度ほど呼び出しの電話をいれてもらい(出て来やしませんが)、いつの間にか督促はなくなりました。
家族は大変だったことでしょう。
その後は、会社については、事務所は引き払い、在庫は一旦、別の場所に移行して、メーカーさんや材料屋さんに連絡をまずは入れました。
金融機関よりも、こっちの業者系の方を優先しないといけません。
そして、次に、売掛先に連絡して、支払先口座を変えてもらうようにしました。
これをしないと銀行で相殺されてしまいます。
そうやって、破産の費用・資金を確保して情報を整理しつつ、自己破産の申し立てをして破産管財人に引き継ぎました。
実際には、その仕入れ先のメーカーが抜け駆け回収を図ろうといろいろ仕掛けてきたりと細かいことをいえばきりがないほどやるべきことはありました。
とにかく、会社によってやるべきことは千差万別なので、本当に、知識・経験・度胸・やる気がある弁護士でないと大変です。