弁護士(仙台・宮城)から、旦那に内緒で破産手続きを行うことについて、仙台地方裁判所に申し立てることを前提にご説明
【ご相談内容】旦那に内緒で自己破産できるか
借金を作った経緯は、話せば長くなりますが、借金が全部で380万円。
クレジットカードのショッピング 60万円
クレジットカードのキャッシング 100万円
銀行のカードローン 80万円
消費者金融 80万円
私名義の車の残ローン 60万円
夫婦で共働き
住宅ローンなし(旦那の会社の社宅)
中学生と高校生の子供2人
旦那にバレたら離婚されてしまいます。
なんとか旦那に内緒のままで自己破産できないでしょうか?
旦那も私も会社員です。
生活のスタイルは、旦那が家賃とか、子供の授業料とか、月々の水道光熱費・固定電話代等の固定の費用を支払い、私は食事や日用品とか、その他の生活に必要なものを支払います。
ただし、私のスマホ(携帯電話)は私が自分で支払っています。
その他は、個別に管理です。
正直、旦那がいくら給与をもらっているのか、どこに通帳をもっているのか、保険も貯金も全く分かりません。
私のについても旦那は分かりません。
車も軽自動車ですが、私が個人の名前で購入しました。
ただ、車のローンが残っているので、支払えないと引き揚げられてしまうと心配です。
なので、なんとかうまくこれを私の実家(父)名義に引き継げないかと相談しております。
【ご回答】~弁護士(仙台・宮城)から~
自己破産することが旦那にバレるタイミング
(1)債権者からの督促物の送付
支払いが滞りますと、当然ながら、債権者から督促の郵便物が来たりします。
クレジットカード会社からの郵便物であれば、月々のご利用明細とかキャンペーンのご案内とかが来ることもありますので、それが郵便受け(ポスト)に入っていたとしても、そんなに不審には思われないでしょう。
それは、車のローンについても同様です。
車をローンを組んで買っていることは別に旦那に内緒ではないでしょうから、車のローン会社から郵便物が来ても、何かのお知らせが来たのかとしか普通は思わないでしょう。
もちろん、郵便物の中身を見れば(はがきのシールを剥がせば)、その内容で支払いが滞っているということが分かるはずなのですが、勝手に封を開けたり、シールを剥がしたりまでする夫婦はあまりないようです。
ですが、郵便物が「アコム」や「プロミス」、その他「アイフル」等の消費者金融(サラ金)から来たとなると、話は違ってきます。
そもそも、なんで、そんなところから郵便物が来るのかと不審がられるというか、まず、間違いなく、隠れてサラ金からお金を借りたんではないか?と普通は疑われます。
(2)債権者からの督促の電話
支払いが滞ると債権者からの督促の郵便物が送られてくるだけでなく、電話も当然ながら、かかってきます。
ただし、最近は、ほとんどがスマホ(携帯電話)にかかってくるので、旦那が直接、債権者と話すという事は考えられませんが、電話が頻繁にかかってきているのに、その電話をとらないでいると、
「どうしたの?どらないの?」
と言われてしまいます。
かと言って、電話がかかってくるたびに、
「もしもし、・・・ぁぁ」
と、ヒソヒソ声で話し出したり、場所を変えたりすると、
「なんか怪しいな。ひょっとして・・・」
とおかしな疑念を招きかねません。
(それはそれで、離婚騒動になりかねません)
(3)債権者からの督促物の放置・置き忘れ
郵便物については、旦那よりも奥さんの方が早く帰るので、まず郵便物を最初に回収するのは奥さんの仕事という場合があります。
この場合には、郵便物を見られてバレるという心配はないように思われますが、うっかりどこかに置きっぱなしにしたり、捨てようとしたのゴミ箱に入っているのを見つけられたり、ということもあります。
(4)裁判所からの書類(訴状や裁判関係の通知・呼出し)
支払いが滞って債権者からの督促が来て、それを何とか隠したり、ごまかすことができたとしても、裁判所からの郵便物が来ると、さすがに、これはただ事ではないというのがバレます。
ただし、債権者がお金を返せと裁判を起した場合には、その訴状というのが裁判所から送られてきますが、それは、普通の郵便では送られてきません。
特別送達という直接手渡しをして、受領の印鑑(サイン)をもらうという特別な郵送手続きで送られてきます。
ですので、本人がいなければ、郵便局の配達員もその郵便を配達できないはずなのですが、大体、家族が玄関に出て行けば、郵便局の局員も渡してしまいます。
ですので、ひょっとすると、旦那が郵便物を受取ってしまうこともあり得ます。
そして、そこに、例えば、仙台地方裁判所とか、仙台簡易裁判所とか、書いてあったら大騒ぎです。
旦那にバレないためには、督促される前に、弁護士を窓口にしてしまうこと
以上は、支払いを遅延したがために、債権者から督促されてバレるのであって、支払いが続かないのは明らかだけど、まだぎりぎり、なんとか支払い(返済)ができているという状況であれば、その段階のうちに、債務整理の代理人を立ててしまうことで、直接、債権者からの連絡が来ないようにすることができます。
代理人を立てると、次のような文面が書かれた通知(これを「受任通知」「介入通知」といいます)が各債権者に送付されます。
「・・・・当職らは、○○氏の債務の整理について、この度、受任し代理人に就任したことをご通知いたします。・・・当職らは、同人の債務について一切の窓口になっておりますので、今後のご連絡は、当職らあてにお願いします。くれぐれも、直接、本人にご連絡なされませんようよろしくお願いします。」
破産を依頼した弁護士事務所とのやりとり
「もしもし、こちら○○弁護士事務所です」
と自宅の固定電話に連絡が来たりすれば、それはそれで旦那にバレてしまいますし、
【○○ 弁護士事務所】
という名前が入った郵便物が来ても、旦那にバレてしまいます。
ですので、予め、旦那には内緒である旨を弁護士事務所に申し入れて、弁護士事務所とやりとりがなされていないことを旦那に内緒にするための配慮・工夫をしてもらう必要があります。
破産の申し立てに必要な資料を旦那に言わずに(内緒で)集める【最難関】
仙台地方裁判所(仙台地裁)の場合には、家計が一緒というか、世帯が一緒ということで、破産を申し立てる本人のみならず、その配偶者の給与明細や保険関係の資料、通帳の写し等を提出することを求められることがあります。
そして、近年は、ご相談者様のように、普段は、そもそも、旦那がいくら給与をもらっているのか、とか、どこに通帳を持っているのか、とか、どこの保険に加入しているのか、分からない、という場合が多く、ここで、
「ねえ、家賃の引き落としがされている通帳の写しを見せてくれない?」
と言っても、
「えっ?なんで?」
と急に怪しまれてしまいます。
もちろん、旦那自体が破産を申し立てるわけではないので、世帯家計に関与しないありとあらゆるものを提出させられるわけでありません。
ですが、たしかに仙台地裁は、かなり多岐にわたる資料を求めてくることは確かです。
そのため、資料入手のために、いろいろ工夫が必要です。
~いかがでしたでしょうか。以上、弁護士(仙台・宮城)から、旦那に内緒で破産手続きを行うことについて、仙台地方裁判所に申し立てることを前提にご説明しました~