個人再生には家計簿が必要?~個人再生手続における家計収支表の役割

【ご相談内容】個人再生と家計簿について

個人再生と家計簿

個人再生の必要書類として、家計簿が必要とのことですが、

どの程度詳しくないと駄目でしょうか?

今からつけるのでもよいですか?

家計簿をつけたことがないので心配です。

【ご回答】~弁護士(仙台・宮城)から~

個人再生における家計簿とは~書式

個人再生の必要書類としての「家計簿」とは、家計収支表(家計全体の状況)のことを言います。

具体的には、次のような書類を言います。

※日弁連が公表している「家計全体の状況」ですが、各裁判所により、書式が異なる場合があります。
逆に、どんな書式でもいい、という裁判所もあります。

家計簿の書き方及び裏付け書類

サラリーマン等の給与所得者の場合ないしは年金受給者(年金受給者の場合も個人再生は可能です。)には、そんなに、「収入」の欄は悩まずに記入できると思います。

「支出」の欄においても、「家賃」、「住宅ローン」、「駐車場代」、「新聞代」、「保険料」も金額がでます。

「水道光熱費」も、少し、面倒ですが、電気代・水道代の領収書の合計を足せばでます。

大変なのは、「ガソリン代」、「医療費」、「教育費」です。そもそも、こまめに領収書をとっていないという場合もあるでしょうし、どこまで含めるのかという問題もあります。

ですので、概算で構いません。

「大体、月3回ぐらいガソリンスタンドに行って、1回につき4000円ぐらい払うから1万2000円ぐらいかなあ」

とか、

「月2回程度、病院に行って、1回につき1000円ぐらい払うのと、薬局で3000円ぐらい買うから、医療費は5000円」

とか、で大丈夫です。

「あっ、でも、先月は月4回行ったっけ、どうだっけ?」

という感じで悩みだすと、全く、作業が進まなくなります。

そんなところで止めてしまってはいけません。

「食費」「日用品」「交際費」等に至っては、細かく突き詰めだすときりがないので、ある程度の感覚的なもので大丈夫です。

というわけで、本来の家計簿は、全部レシートをとっておいて、しかも、レシートがないやつも事細かにメモをとってという感じでつけていくのが普通かと思いますが、そこまでの厳密さは求められておりません。

もちろん、この際、自分の生活を徹底的に見直そうということでしたら、厳密にやってみてもいいとは思います。

ですが、細部にこだわって、いつまでも、完成しないままだと、また、月がかわってしまう、ということで、延々と個人再生の申し立てが先送りになるのはよくないので、ある程度の割り切りも必要です。

~いかがでしたでしょうか。以上、弁護士(仙台・宮城)から、個人再生の必要書類としての家計簿とは?についてご説明いたしました~