【ご相談内容】自己破産のクレジットカードへの影響
債務整理で自己破産をするとクレジットカードが使えなくなるって本当ですか?
私は、
A社 クレジットカード(百貨店系)
B社 クレジットカード(ネット系)
C社 クレジットカード(消費者金融系)
D社 クレジットカード(銀行系)
の4つを持っています。
債務整理で自己破産さえしなければクレジットカードは大丈夫ですか?
ちなみに、私のクレジットカードの具体的な使用状況は以下のような感じです。
A社 クレジットカード キャッシング
B社 クレジットカード ショッピング
C社 クレジットカード 水道光熱費・電話代・NHKの支払い
D社 クレジットカード 使っていない
【ご回答】~弁護士(宮城・仙台)から
自己破産の場合にどのクレジットカードが使えなくなるか
あなたが、
A社 クレジットカード キャッシング
B社 クレジットカード ショッピング
C社 クレジットカード 水道光熱費・電話代・NHKの支払い
D社 クレジットカード 使っていない
という状況のもと、A社、B社、C社それぞれの支払いが残ったままで自己破産手続きに入るとします。
そうしますと、A社、B社、C社それぞれに対して、※介入通知(受任通知)を送付することになりますので、それにより、当該クレジットカードは利用停止になります。
D社については、別に債務があるわけではないので通知をする必要がありません。
そういうわけで、D社のクレジットカードは生きたままです。
信用情報機関への登録・照会
ここで、多少、知っている方なら、
「えっ?でも、A社、B社、C社に支払わなくなると、ブラックリストになるんじゃない?」
「ブラックリストに載るとクレジットカードが使えなくなるんじゃない?」
と思う方がいるでしょう。
そんな説明をしている人も結構いるみたいです。
ですが、例えば、A社が、
「【氏名 ○○ ××】は、ブラックリストに載りました」
と各クレジットカード会社に通知を出して、その更新されたブラックリストが回覧されてくる、
そして、D社がそのブラックリストを受け取って、
「あっ、この【氏名 ○○ ××】は、うちのクレジットカードの会員だから、すぐに資格停止しなければ」
とD社のクレジットカーを使えなくする、
そんなイメージを持っているのではないでしょうか。
そんな流れではありません。
A社、B社、C社は、それぞれが信用情報機関に支払い事故(遅延・法的整理)の登録をするでしょう。
そして、D社も信用情報機関に対して照会をかければ、その人が支払い事故を起こしたことを知るでしょう。
そして、支払い事故を起こしたことを知れば、利用停止ないしは会員資格停止の措置をとるでしょう。
ただし、その人について、毎日毎日、信用情報機関に照会をかけているわけではありません。
そんなことを全会員についてやっていたら膨大な費用と時間がかかります。
だって、ほとんどの会員は、何もないわけです。
毎日、
「ああ、今日も支払い事故は確認できなかった」
「この人は、本日も、信用情報に変更なし」
ということで意味のない確認作業をやるほど、各クレジットカード会社も余裕があるわけではありません。
そうすうと、D社は、いつ、この【氏名 ○○ ××】が支払い事故を起こしたことを知るでしょうか?
1つは、カードの更新の時期(タイミング)です。
その時期に信用情報機関にあらためて【氏名 ○○ ××】の信用情報を確認して、更新しても問題ないかを確認する場合があります。
ところが、このクレジットカードの更新に際しても、一々、信用情報を照会しない場合があります。
その場合には、結果として、ずっとクレジットカードが生きていることになるわけです。
なお、このような状況は、個人再生をとったとしても同じです。
任意整理の場合にどのクレジットカードが使えなくなるか
あなたが、
A社 クレジットカード キャッシング
B社 クレジットカード ショッピング
C社 クレジットカード 水道光熱費・電話代・NHKの支払い
D社 クレジットカード 使っていない
という状況のもと、A社、B社、C社それぞれの支払いが残ったままで任意整理をするとします。
任意整理とは、債権者との個別の交渉により、現在の債務をなるべく長期の返済期間に延ばして、月々の返済の負担を減らす手続きです。
取引期間(借りたり・返済している期間)によっては、※過払い利息が発生している場合あり、元本を圧縮できる場合もあります。
そこで、例えば、
「このクレジットカードがすぐに使えなくなるのはつらいな」
と思う場合には、そのクレジットカードについては任意整理をしないで、そのまま支払いを続けなければなりません。
ですが、逆に言えば、その場合には、自己破産のところでお話したように、すぐにそのクレジットカードが使えなkなることを回避できるわけです。
※2010年6月以前には、貸金業者の多くが利息制限法以上の利息をとっており、過払い利息が生じていました。そのため、過払い利息がある分、元本が減るわけです。