前回まで(No2)のまとめ

破産管財人の報酬は、司法書士に依頼した申し立ての場合には、弁護士に依頼した場合と比べて高額であり(このことは知らなかった)、しかも、原則として、一括で支払わなければならないため、到底、準備することができずに、せっかく申し立てた破産手続きを取り下げることとなってしまった。

そのようなドタバタがあり、司法書士に継続して依頼する気が失せた私は、これで最後と、さらに別の弁護士を探した。

そして、これまでの経緯や今後どうなるのか?そして、どうすればよいかを弁護士に相談した。

破産管財費用は、司法書士の方が弁護士より高い

弁護士さんからは、

「ただ、あなたの場合には、元カレに貸した金の回収可能性があるかもしれないので、いずれにせよ管財費用は必要になると思います。ただ、司法書士よりは管財費用は安くなります。」

と言われました。

「えっ?管財費用は弁護士も司法書士も同じではないのですか?」

と聞いたところ、

「弁護士が代理人としてついてるのと司法書士が書面だけのサポートをするのでは破産管財人の手間が違うのです。」

と言われて、

じゃあ、弁護士に頼んだ方が得ってことですか?」

と思わず言ってしまいましたが、

「まあ、得っていうか、そうですね。」

「その辺はね、弁護士もちゃんと皆さんに本当は周知しないといけないんですよ。」

と苦笑いしていました。

元カレへから貸付金を回収できるか?

「それで、この元カレへの貸付金の件だけど、おそらく、回収できる可能性は低いと思うけど、何もしないで、管財人に『あとは、よろしく!』って言うわけにはいかないので、回収に向けての調査等は、やれるところまではやりましょう。」

と言われました。

そして、所在調査として、もともとの彼の住所から、住民票を取得してもらったところ、なぜか、関西の方に住民票が移されているとのことでした。

彼からは実家は東北だと聞いていたのに、なんのゆかりがあって関西なんかに住所を移したのかが検討もつきませんでした。

そして、そこに何度も郵便物を送ったり、弁護士事務所から元カレの電話番号に電話してみてもらったりしましたが、やはり、連絡がつくことはありませんでした。

すると、弁護士さんは、私から、彼の実家が東北にあるということを聞いて、なんと、彼の両親の住所、正確には、もう母親しか生きていないので、彼の母親の住所まで調べて、そこに彼の連絡先を尋ねる文書を出してくれました。

そうしましたら、ついにアイツから連絡がありました。電話で。

ついに彼から連絡があったが、その態度は?

「何の用?」

ひどい言い方でした。

私は、ずっとずっと連絡がなくて、借金の返済にも窮して困っていたことを伝えると、衝撃の反応がありました。

「知らねえよ。自分の借金だから自分で始末つけるの当たり前だろ!?」

「弁護士なんか使って何がしてえんだよ!」

「どうせ、弁護士にそそのかされてんだろ!」

「その弁護士が金欲しさにお前をあおっているだけだぞ!」

もう、頭に来るのを通り越して吐き気がしましたが、弁護士さんに連絡したら、

「分かった。すぐ連絡してみる。」

と連絡してみてくれました。

やはり貸付金も証拠がないと難しい

「何なのアイツ!あんな奴とよく付き合っていたね。」

やはり、弁護士さんにも同じ対応・回答だったとのことで、私が虚偽を言っている、証拠があるのか、等々の開き直りだったとのことです。

たしかに、証拠はないのですが、悔しくて、悔しくてたまりませんでした。

弁護士さん曰く、

「裁判起こすということもできるけど、やはり証拠がないと相手を追求しきれず費用倒れになる可能性が高いです。」
「しかも、仮に裁判に勝ったとしても、金を持っていなければ正直言って回収は難しいです。」

と言われてしまいました。

そして、こうも言われました。

「感情的に許せないのはよく分かります。しかし、仮に彼から貸した金が返ってきて借金が400万から250万円に減っても、やはり返済は困難です。」

「そして、自己破産というのは、借金が400万円でも250万円でも、免責がおりれば最後はみな同じです。」

「ですので、アドバイスとしては、我々の手による回収についてはここまでにして破産を申し立てませんか?」

「もちろん、破産管財人がさらに彼を追及して貸付金を回収してくれるかもしれません。」

「回収されてもあなたに戻ってくることはないですが、彼が金をとられれば多少の溜飲が下がるというもの。」
  
と説得され、ようやく落ち着くことができました。

ただ、弁護士さん自身も納得いかないというか、悔しそうではありました。

「本当に、あの言い方はムカつくなあ」

「あいつは本当のダメ男だ。」

「まさに、人間のクズと言うにふさわしい。」

「絶対、何かしてやらないと許せないなあ」

と度々、言っておりましたから、よほど、彼の態度が癪に障ったのだと思います。

借金の問題なのに、そんな不愉快な思いをさせて申し訳ないなあとは思いました。

・・・つづく

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